タグ

ブックマーク / agora-web.jp (12)

  • 『アサシン クリード』弥助問題に関する私見

    人気ゲームシリーズ『アサシン クリード』の最新作で11月に発売予定の「アサシン クリード シャドウズ」が、ネット上で論議を呼んでいる。織田信長に仕えた黒人として著名な弥助をモデルにしたキャラクターが、新主人公として追加されたことが原因である。 これまでのシリーズでは、様々な時代や国で暗躍する架空の暗殺者が主人公だったが、歴史上に実在した人物である弥助が主人公として登場し、「伝説の侍」として紹介された。このことに対して、著しい誇張であり、歴史の歪曲につながるのではないかとの批判が沸騰している。 論争は加熱、拡散し、現在では「アサクリ」弥助の人物像に影響を与えたと見られるトーマス・ロックリー氏(日大学准教授)の弥助研究に批判が飛び火し、当時の黒人奴隷貿易のあり方にまで議論が広がっている。 情報が錯綜しており、また紙幅の都合もあるので、稿ではひとまず論点を「弥助は侍だったか」に絞って私見を述

    『アサシン クリード』弥助問題に関する私見
  • 「ウィニー事件」弁護人の話に思う、平成日本の敗因

    先週末、政策研究大学院大学で開催された知的財産マネジメント研究会(Smips)で、ウィニー裁判で金子勇氏を弁護した壇俊光氏の話を聞いた。 昨年の投稿、「平成の敗北」と重なるウィニー開発者金子勇氏の悲劇(以下、「金子氏の悲劇」)では金子氏とのやりとりを以下のように紹介した。 2012年4月、幕張メッセで金子氏の講演を聴いた私は、質問の冒頭で、「金子さんは日人に生まれて不幸だったかもしれない。なぜなら欧米版ウィニーを開発した北欧の技術者は、金子さんのように後ろ向きの裁判に7年半も空費させられることなく、その後、無料インターネット電話のスカイプを開発して、億万長者になったからである」と述べた。 その時は、まだ若いので、これから十分取り戻せると思っていたが、1年後に42歳の若さで急逝した。 億万長者になった欧米の同じ技術の開発者 北欧の技術者はスウェーデン人のニクラス・センストロム氏とデンマーク

    「ウィニー事件」弁護人の話に思う、平成日本の敗因
  • 社会科学における可視化という挑戦 --- 森 宏一郎

    ■社会科学は社会問題を解決しているのだろうか? 国際的に重要な問題として、気候変動(地球温暖化)、生物多様性損失、安全な水・糧の安定的確保、エネルギー生産・消費、急速な都市化、継続する貧困、増大する社会的不公平性や社会的不満などがある。 これらは、人類社会の持続可能性(サステイナビリティ)の問題である。現在、社会科学の学問分野がこれらの社会問題の具体的な解決に対して十分な貢献をしていないのではないかという問題意識がある。 今回のコラムでは、社会科学に携わる者の一人として、この問題意識について考えたい。持続可能性の問題に対して具体的な解決につなげるための試金石として、社会科学においても「問題の可視化」が大きな役割を果たすのではないかと考えている。 ■社会科学の思考の癖 社会科学が社会問題の解決に無関心であるわけではない。しかし、ある種の思考の癖によって、具体的な解決を考えていないかのように

    社会科学における可視化という挑戦 --- 森 宏一郎
  • 東日本大震災で「ユーモア」が許されないこの緊張状態は危険 ‐ 岩崎聖侍

    未曽有の大地震が東日に襲い、多くの方が被害にあいました。何もできない自分が、当に歯がゆいです。 そんな状況ですが、自分のできることを再確認しました。 1.まずは節電 2.できる限りの寄付 3.しっかり仕事をする(日経済を復活させる) 4.未確認情報やネガティブな情報を拡散させない だと思っています。 そして、5番目に、松孝行氏もアゴラの記事でおっしゃっているように(不謹慎・自粛ムードに関する反論)「不謹慎」のキャンペーンを防ぐということを掲げたいと思います。Twitterでは、レンタルDVDの宣伝(テレビは地震のことばかりでつまらないという方。来店お待ちしております)をツイートした店員さんがボロクソに言われたり、テレビでアニメを放送したら、抗議の電話が鳴りまくったようなことが起きているようです。 しかし、みなさん、よく考えましょう。 まず今、日は支援する国から、支援される国になっ

    東日本大震災で「ユーモア」が許されないこの緊張状態は危険 ‐ 岩崎聖侍
  • アゴラ : なぜ薬剤師でなければ医薬品を取り扱ってはいけないのか  井上晃宏(医師、薬剤師)

    私は医師であると同時に薬剤師である。管理薬剤師を3年ばかりやっていたこともある。 ここで述べることは、業界内の人間にとっては、ほとんど常識とも言うべき事柄であるが、マスコミやWebに流れることはない。業界にとって不利な事柄だからである。(テレビ業界にとっての電波利権のようなものだ) 50年前の医薬品は不均一で不安定だった。品質や有効性や真贋を見分ける必要があった。また、薬は、製薬会社から供給される形態のままで患者に使うことができず、エキスを抽出したり、増量剤を混ぜて分包したり、打錠機で錠剤としたり、カプセルに詰めたり、ワセリンに混ぜて軟膏にしたり、溶かして水剤とする必要があった。輸液も、製品の種類が少なく、めんどうな調製を必要とした。そのためには、専門技術者が必要だった。 宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」の冒頭で、キキのお母さんがやっている仕事が、かつての薬剤師の仕事だった。薬局は単なる小売

    アゴラ : なぜ薬剤師でなければ医薬品を取り扱ってはいけないのか  井上晃宏(医師、薬剤師)
  • アゴラ : イマドキの起業のしかた - 渡部薫

    僕は自称、ベンチャー起業家。これまでに10社くらいは起業し、直接、間接合わせて40億円ほど資金調達して、自分の手金を投資したことがあっても、借金してまで起業したことはないし、保証人になったこともない。見方にもよるだろうがまだ成功はしていないが(苦笑)、リスクの割には大きな失敗もしていない。 そんな僕がここ1、2年で明らかに起業のスタイルが変わったと感じることがあり、起業を志している人の役に立てばと思いそのノウハウとイマドキの起業法を伝授したい。 まず心構えから。おいおい精神論からかよ、と思うかもしれないが、、、 ■心構え 1. 起業は怖くない リスクは避けるものではなくヘッジするもの。自分の許容できるリスクの範囲をきちんと見定めること。最大のリスクは恐れるという心の弱さのことなのだ。恐れるということを恐れよ! 2. 安定基盤を捨てなくても起業はできる。 サラリーマン諸君に言いたい。辞めると

    アゴラ : イマドキの起業のしかた - 渡部薫
  • 日本ITの国際競争力

    ジャーナリスト/佐々木俊尚 表の技術力、裏の技術力という言葉がある。この言葉を知ったのは、製造業コンサルティングのネクステック前社長だった山田太郎氏に取材した時のことだ。もう4年以上も前の話になる。 山田氏は取材の時、こう言った??日の製造業が自慢してきた技術力というのは実のところ「裏の技術力」でしかなく、消費者を惹きつけるような「表の技術力」には非常に乏しい。たとえば、と彼は私が使っていたICレコーダーを手にとって説明した。「スピーカーの穴がきれいに操作盤のまわりに沿って複雑なアールをつけられてますよね。でもICレコーダーという実用品でそこまでの造形が必要か。これが海外メーカーだったら、スピーカーの穴なんてシンプルな長方形に形成するだけです。必要なのはこういう『裏の技術』じゃなくて、もっと別の『表の技術』だと海外メーカーはわかっているから」 では「表の技術」とは何か。それはすなわち、ネ

    日本ITの国際競争力
  • 日本は「変な国」になってゆく - 池田信夫

    きょうEconomist誌の記者の取材を受けました。彼の疑問は「日経済がやるべきことは、ずっと前からわかっているのに、なぜちっとも前に進まないのか?」ということなのですが、答に困りました。Economist誌(あるいは経済学者)にはわかりきったことでも、そういう問題が問題と認識されないことが日の問題なのだ、ということをあらためて認識したので、英文ブログにまとめました。 たとえば労働市場を柔軟にしないと非正規雇用の問題は解決しないということは、東京支局長の彼から見ると自明の理で、労働市場の改革はイギリスの労働党でさえ取り組んだテーマです。ところが民主党は派遣労働を禁止しようとしているというと、彼は「民主党は何を考えているのか。連合のエージェントなのか」。労働市場が日経済のボトルネックになっているという認識は、彼も共有しているようです。 「資市場はどうか。もう規制はほとんどないのに、企

    日本は「変な国」になってゆく - 池田信夫
  • 科学技術は役立たず、環境を壊すという教育 - 岡田克敏

    毎日新聞6月27日の「発信箱」に興味深い話がありました。筆者は科学環境部の記者です。初めの部分を紹介します。 『高校に出前授業に出かけた研究者がため息まじりに話してくれた。 「科学技術が役に立っていると思う人?」と生徒に聞いたら、しばらくして半分ぐらい手が挙がった。「科学技術が環境を壊していると思う人?」と聞いたら、間髪入れず全員の手が挙がったという。「若者は科学技術より環境を大切に思っているんですね」 事実、公害は科学技術を支える企業活動が生んだ。しかし科学技術は環境問題の解決にも貢献するはずだ。それをすんなり受け入れられないのは、大人たちの言動にどこかウソっぽさを感じ取っているのではないか。 高校生でない私でも納得いかないことは多い。省エネを叫びながら、消費電力の多い大型テレビほどエコポイントがつくのはなぜか。ためたポイントでガソリンが買えるのは変だ。化石燃料使用を減らせと言いつつ、高

    科学技術は役立たず、環境を壊すという教育 - 岡田克敏
  • 優秀な兵士と最悪の将校 - 池田信夫

    先週の夏野さんの起業塾セミナーも、すごい盛り上がりでした。印象に残ったのは、「日には実力がある。人も金も技術も十分あるのに実力が生かせない原因はたった一つ、決める経営者がいないからだ」という彼の話でした。昔から「日軍の兵士は世界一優秀で勇敢なのに、将校は世界最悪だ」とよくいわれますが、私は両者はなのにではなくだからで結ばれていると思います。 日の社員は上司が命令しなくても仕事を起案し、遅くまで残業してやり遂げる。この自発性の高さは、日では当たり前ですが、海外のスタッフと一緒に仕事をすると、1から10までこっちが指示しないと動かない上に、できあがったものは使えない、といった経験をよくします。それに比べれば、日の管理職の仕事は現場の仕事を調整するだけでいいので、人柄がいいだけでつとまる、というのが決めない経営者の多い一つの理由でしょう。 もう一つ、このような現場のモラールの高さを支え

    優秀な兵士と最悪の将校 - 池田信夫
  • オーストラリアにおける「不都合な真実」の悲惨な結末 - 矢澤豊

    今年の2月7日前後に、オーストラリアのヴィクトリア州で大規模な山火事(ブッシュファイア)が同時発生し、200人近くが死亡、約500人が重軽傷を負い、約2,000世帯が住まいを失うという大惨事がありました。 私が当地香港で所属するラグビー・クラブには多くのオーストラリア人がいるので、あの時期は、「(家族や友人は)大丈夫だったか?」というのが挨拶代わりになっていました 。 幸い私の周りには、身内や知り合いに直接被害を受けた人はいませんでしたが、知り合いのオーストラリア人弁護士が吐きすてるように言った次の言葉が印象に残りました。 「バカなグリーニーたち(Greenies=環境保護主義者)の責任だよ。」 どういうことか聞いてみると、つまり次のようなことだったのです。 主に中国経済に牽引され好景気が続いたオーストラリアでは、ちょっとした不動産ブームがすすみ、ここ数年間に郊外エリアの外環部での宅地造成

    オーストラリアにおける「不都合な真実」の悲惨な結末 - 矢澤豊
  • アゴラ : 目に余るNTTグループの独占回帰への試み - 松本徹三

    私には個人的に尊敬する人や親しい人がNTTグループの中にたくさんいます。また、私が現在勤務しているソフトバンクにとっては、NTTグループの各社は、一面熾烈な競争相手であると同時に、一面では多くの点で協調すべきパートナーであったり、接続先であったりします。従って、下記のようなことを正面だって言うのは、来は心苦しいのですが、やはりこれだけは言っておかなければならないと思います。 NTTドコモの新入社員の入社式にNTT持ち株会社の三浦社長が出席され、その訓示の中で、「NTTドコモに入社されたあなた方は、NTTに入社されたのと同じ事」という趣旨のことをおっしゃられたとの事です。私は勿論その入社式に出たわけではなく、人伝に聞いたことに過ぎないので、詳しいニュアンスまでは分りませんが、そのことを聞いて、私は飛び上がるほどに驚きました。これは、「NTT分割」が求めたものの公然たる全否定に他ならないから

    アゴラ : 目に余るNTTグループの独占回帰への試み - 松本徹三
  • 1