2021年のノーベル物理学賞が、地球温暖化をコンピューターで予測する手法を開発した米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎氏(90)=米国籍=に授与されることが決まった。スウェーデンの地元ラジオ局の受賞者予想で名前が挙がっていたものの、気象分野での物理学賞は初めてで、本人も周囲も驚いたという。日本の受賞は2年ぶり28人目となった。 真鍋氏がインタビューを受けた自宅の壁には毛筆の日本語が書かれた額縁がかかり、故郷への愛が感じられた。だが真鍋氏は1958(昭和33)年に渡米して以来ほぼ米国で研究を続けており、米国籍も取得している。会見で、米国に拠点を置くのは研究上の理由とし、「他人の目を気にせずコンピューターを使えた」と語った。 真鍋氏が渡米した当時、日本と米国の研究環境には雲泥の差があったという。その後1997(平成9)年に一度研究拠点を日本に移し、米国では「頭脳流出」と話題になった。だが、真鍋
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