いま、高齢者を主人公にした“シニア漫画”が人気を集めています。 老後、新しいことに挑戦する姿を描いた作品や、介護・認知症などの問題に迫る作品など、テーマはさまざまです。 ことしの「手塚治虫文化賞」の候補作にもノミネートされている『ぼっち死の館』という作品を描いたのは、78歳の漫画家・齋藤なずなさん。リアルな高齢化社会をテーマにしたこの作品から見えてくるものとは…。 去年、刊行された『ぼっち死の館』。6つの物語で構成された短編集です。 シニア世代が直面する現実のリアルな描写が話題を呼び、ことしの「手塚治虫文化賞」の候補作にノミネートされています。 物語の舞台は、東京多摩市にある『多摩ニュータウン』。高度経済成長期に整備された建物の多くが老朽化し、入居者の高齢化が課題となっています。 実は、『ぼっち死の館』の作者、齋藤なずなさんも、ここに住んでいます。この団地に住んで50年、8年前に夫に先立た