ガース・ハドソン(Garth Hudson)を追悼。ローリングストーン誌の名物ライターであるロブ・シェフィールドが、ザ・バンドの控えめな名手にして、ロック界随一のまとめ役であった故人を偲ぶ。 ザ・バンド最後の生存者だったオルガン奏者のガース・ハドソンが、1月21日の朝(現地時間)、87歳で亡くなったーーウッドストック近郊で、ザ・バンドとボブ・ディランが地下室でジャムセッションをしただけで音楽の歴史を変えた家、通称「ビッグ・ピンク」から数マイルしか離れていない場所で。ガース・ハドソンは謎の男であり、寡黙で、歌わない唯一のメンバーだった。彼は他のメンバーより何歳も年上で、1968年のデビューアルバム『Music from Big Pink』を録音した時にはすでに30代になっていた。しかし、謙虚な天才である彼は、開拓者精神に満ちた素朴な音楽を奏でる、ザ・バンドというグループを象徴する存在であ
