東京医科大(東京)医学部医学科の一般入試で、同大が女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが明らかになった。同大出身の女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れがあることが背景にあったとされる。水面下で女子だけが不利に扱われていたことに対し、女性医師や女子受験生からは「時代遅れだ」との声が上がる。 「いわば必要悪。暗黙の了解だった」。同大関係者は、女子の合格者数を意図的に減らしていたことについてそう語る。 この関係者によると、同大による女子合格者の抑制は2011年頃に始まった。10年の医学科の一般入試で女子の合格者数が69人と全体(181人)の38%に達したためだ。医師の国家試験に合格した同大出身者の大半は、系列の病院で働くことになる。緊急の手術が多く勤務体系が不規則な外科では、女性医師は敬遠されがちで、「女3人で男1人分」との言葉もささやかれているとい
オレオレ詐欺などの特殊詐欺被害を未然に防ぐため、栃木県警が2015年5月に高齢者に貸し出しを始めた「特殊詐欺撃退機器」を利用する世帯で、特殊詐欺被害が一件もなかったことが、県警の調査でわかった。 9割を超える人が「不審な電話を受けなくなった」と回答しており、県警は「特殊詐欺被害の防止に一定の効果があった」としている。 撃退機器は、固定電話機に取り付けると、呼び出し音が始まる前に「振り込め詐欺など犯罪被害防止のため会話を自動録音します」と発信者に警告が流れる仕組み。詐欺犯は声や話し方の特徴が記録されて捜査されるのを嫌うため、自ら電話を切ってしまうという。 県警は今年1月までの2年半あまりで、県内の745人に最長約1年間、無償で貸し出した。今回のアンケート調査では、感想などを聞き取り、うち735人から回答があった。 その結果、設置前は「不審な電話を受けた」とした人が62・3%いたが、設置後には
民間の有識者らでつくる日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)が2014年5月、「40年に消滅する可能性がある」(消滅可能性都市)と指摘した全国896市区町村のうち、約8割の自治体で人口減がより加速することが読売新聞社の分析でわかった。 想定以上の速さで行政サービスなどの維持が困難な自治体が現れる可能性が高まっており、政府などによる抜本的な対策が求められる。 創成会議は、国立社会保障・人口問題研究所が13年に公表した地域別将来推計人口のデータを基に、消滅可能性都市という考えを提唱した。今回は、それから5年後の18年に新たに公表された同推計人口を基に、40年時点の消滅可能性都市の人口の変化を比較した。 この結果、北海道や東北・九州地方など過疎地域の713自治体で、40年時点の人口が減少していた。東京など3大都市圏を中心に181自治体では逆に増加した。減少した自治体の平均減少率は11・3%で、最
兵庫県姫路市のJR姫路駅近くで行われていた市有地の整備事業が、思わぬ形で中止となった。 半世紀前の高層ビルの基礎工事で打ち込んだ杭(くい)が変形し、容易に抜けなくなったためだ。「駅チカ」の一等地だが、このままではビルなどを建てるのは困難で、市は跡地利用に苦慮している。 1966年完成の高尾ビル(10階建て)で、3、4階部分が、70年代まで姫路市内を走っていた「姫路モノレール」の大将軍駅として利用。モノレールの運休(74年)、廃止(79年)を経て、賃貸住宅などとしても使われたが、老朽化のため、市が2016年度から5億円近くかけて解体工事を行っていた。 ビルを撤去後、地中に埋まっている基礎部分のH形鋼の杭(長さ約16メートル)を抜こうとした際、機械が破損。杭を振動させて引き抜く特別の工法で抜いたところ、先端部分が変形していたことが判明した。H形鋼は約200本残っており、市は「振動を伴う工法を使
大阪府立大と大阪市立大の統合に向け、2019年4月に両大学の運営法人を一つにするための関連議案が2日、府議会教育常任委員会で、大阪維新の会、自民党、公明党などの賛成多数で可決された。8日の本会議で可決する見通し。同様の議案は市議会(12月12日閉会)でも審議中で、可決されれば新法人「公立大学法人大阪」が誕生する。 関連議案は、府市が共同で設立した新法人が、府立大(堺市中区)と市立大(大阪市住吉区)を運営する「1法人2大学」にする内容。事務所は大阪市に置き、経営の一元化による役員の削減や共通部門の集約化で経費節減につなげる狙いがある。 ただ、市議会の自民、公明には「議論が拙速」などの慎重意見もあり、今議会で可決されるかは不透明だ。
日本でも近年増えてきたバイオ系ベンチャーは、投資家の関心の的だろう。しかし、一足先を走る米国シリコンバレーで大ブレークした血液検査ベンチャー「セラノス」は、成功の源となった革新的技術自体が「 大嘘 ( おおうそ ) 」と報道され、一気に価値が 凋落 ( ちょうらく ) した。そこにいたるまで700億円もの資金調達に成功したセラノス。投資家は何にだまされたのか。シリコンバレー在住で血液検査関係のベンチャー事情に詳しい渡辺さんが報告する。 一躍スターダムにのし上がったセラノス セラノスはここ1年ほど、いろんな意味で米国を騒がせてきたシリコンバレーの医療ベンチャーである。2003年にスタンフォード大学を1年でドロップアウトしたエリザベス・ホームズが19歳で起業。「1滴の血液でどんな血液検査をも可能にする」とうたって、これまでに7億ドル、約700億円近くを調達してきた(1ドル100円で換算)。14
野生のニホンザルによる農作物被害などに悩む神奈川県伊勢原市は1日、同市日向の集会所で、「女性による女性のための鳥獣対策勉強会」を初開催した。 男性が仕事などでいない時間帯を見計らって出没するなどサルの動きが巧妙になっている実情を踏まえ、女性にも自衛・撃退に立ち上がってもらおうと企画。〈1〉近寄らない〈2〉目を合わせない〈3〉背中を見せない〈4〉叫ばない――の「セザル4か条」などを伝授した。 市によると、市内では約200頭のサルが生息しており、農作物被害は毎年600万~1000万円ほどで推移。追い払い対策を続けているが、歯止めが掛からず、住宅内の食料品、仏壇のお供え物まで奪われるケースも出ているという。 この日の勉強会には、日向地区周辺の主婦ら16人が参加。講師も千葉科学大学動物危機管理学科の加瀬ちひろ助教ら全員女性が務め、鳥獣の生態などを学んだうえで、エアガンやロケット花火などを使ったサル
スマートフォンなどで遊ぶソーシャルゲームで、ガチャと呼ばれるくじで希少キャラクターが出る確率が期間限定で上がるという告知に対し、利用者から「多額の金をつぎ込んだのに目当てのキャラクターが出ない」という苦情が相次いでいる。 個別のキャラクターの出現率を公表しないゲーム業界の慣習が背景にあり、消費者問題に詳しい弁護士は「業界任せでなく、行政がルールを作るべきだ」と指摘している。 問題となっているのは、主人公が仲間のキャラクターと冒険する人気ゲーム「グランブルーファンタジー(グラブル)」。昨年末、ガチャで当たる希少キャラクターのグループ全体の出現率を、年末年始の期間限定で3%から6%にアップすると告知したが、「目当てのキャラクターが当たらない」との声がインターネット上などで相次いだ。 ガチャでは、目当てのキャラクターがいつ出るか分からない。ある利用者の男性は「30万円使ったが出なかった」と憤り、
【ロンドン=角谷志保美】2016年のノーベル平和賞候補に、米大統領選の共和党指名候補争いで首位の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が推薦された。 推薦締め切りの1日、オスロ国際平和研究所のハルプバイキン所長が公表した、候補者の一覧から明らかになった。 推薦したのは米国人で、トランプ氏の「イデオロギーの強さを通じた積極的な平和」が、イスラム過激派組織「イスラム国」や、イラン、中国などの抑止に有効だとしている。 同賞の推薦資格があるのは、世界の国会議員や学者など。ノルウェーのノーベル賞委員会は候補者を公表しないが、推薦者は推薦したことを公表することができる。15年の候補者は273個人・団体に上った。
作りこまれたアトラクション、おもてなしの心にあふれたキャスト、ディズニーグッズを身にまとった来園者――。東京ディズニーリゾート(TDR)といえば、テーマパーク業界のトップをひた走る「夢の国」というイメージが強い。しかし、そんなTDRに異変の兆しがあるという。法政大学経営大学院の小川孔輔教授は、この傾向が続いた場合、TDRが苦戦の続くファストフード大手「マクドナルド」と同じ道をたどりかねないと警鐘を鳴らす。 暫定順位でトップ10落ち…顧客満足度 サービス産業生産性協議会が実施している「日本版顧客満足度指数(JCSI)」という日本の小売サービス業32業種・上位企業約400社を対象にした日本最大規模の消費者調査がある。筆者も改善・運営委員会の座長として関わるこの調査で、顧客満足度(CS)上位企業のランキングに変化が起こった。2009年以来、劇団四季とトップを争ってきたTDRが、あくまで暫定値では
開会中の国会に提出予定の個人情報保護法改正案。ところが、取りまとめの最終段階で骨子案に盛り込まれた一節が、波紋を呼んでいる。「利用目的の制限緩和」。企業が集めた個人情報を利用しやすくするのが狙いだが、この一節を入れたことにより、今改正の大きな目的の一つだった「欧州連合(EU)の十分性認定問題」の解決が、危うくなってきたのだ。 EU基準満たさない恐れ ■利用目的の変更 「検査のために自分の遺伝子情報を提供したつもりが、いつの間にか広告に使われ、遺伝子から予測される病気にあわせた健康食品の勧誘がくるようになったら……」。政府の検討会で消費者の立場から法改正を議論してきた長田三紀委員はこう憤る。 問題視しているのは、個人情報の利用目的を変更する際の手続き。昨年12月、検討会に事務局が示した骨子案に急に入ってきた内容だった。 現行法では、企業などが個人情報を取得する際は利用目的をできる限り特定し、
Iターンなどの情報を紹介する月刊誌「田舎暮らしの本」(宝島社)がまとめた2015年版の「住みたい田舎」ベストランキングで、島根県大田市が1位に選ばれた。 自然や歴史の豊かさだけでなく、移住希望者への相談や補助が充実している点が高く評価された。 29日発売の15年2月号で発表された。同誌は12年から社団法人「移住・交流推進機構(JOIN)」(東京都中央区)の会員自治体を中心に、移住者支援に熱心な市町村を選んで施策や自然、文化、経済的な状況に関するアンケート調査を実施し、総合評価を加えてランキングを発表している。 大田市には今年初めてアンケート用紙が届き、ランキングの対象に。空き家バンク、家賃や保育料の補助などの行政施策に加え、自然、伝統、災害、交通や買い物の便、医療などの観点から、95点満点で73点となり、アンケートに回答した295市町村の中でトップとなった。 同誌によると、大田市は移住者支
今年10月のノーベル平和賞受賞者発表の直前、独自の受賞者予想で知られるオスロ国際平和研究所のクリスチャン・ハルプバイキン所長が、「憲法9条を保持する日本国民」を最有力候補に挙げて話題を呼んだ。 「日本国民」という名の団体が推薦されていると所長が勘違いしていたことが、本紙のインタビューで分かった。(ロンドン支局 柳沢亨之) 所長は、有力候補としたのは「日本国民ではない。『9条を保持する日本国民』という名の団体が推薦されたと理解してきた」と述べた。推薦運動を行った市民団体の石垣義昭共同代表によると、推薦したのはあくまでも日本国民全体だった。 所長はまた、「ある地域の人々が(全体で)何らかの責任を負う存在となることはあり得ない」と語り、国民全体への授与は不可能との見方を示した。 一方、ノルウェー・ノーベル賞委員会のゲイル・ルンデスタッド事務局長も本紙の取材に応じ、「日本国民」の推薦を受理したこと
――スマートフォン(スマホ)と子どもの問題で、最近とくに顕著な傾向はあるでしょうか。 「いまの子どもたちのスマホ周りの問題は三つに絞られると思います。一つは、いわゆるスマホ化で、ガラケーからスマホへの移行、これは非常に大きな問題です。ガラケーに比べてスマホは高性能ですし、リアルタイムで繋がりますので。二つ目が、低年齢化。つい2,3年前は高校生だったのが、いま問題の中心は小学4年生ぐらいです。 そして、無自覚化。ガラケー時代のトラブルは、悪意のある子が、たとえば裏サイトでだれかを誹謗中傷するといったように、故意に起こしたトラブルでした。自分からわざわざ出会い系サイトを訪れ、トラブルに巻き込まれるのもそう。ただ、いまは二つ目の低年齢化にともない、自分が自覚しないところでトラブルに遭うなり、巻き込まれているのが特徴です。知らないうちに巻き込まれている。だからこそ、より怖いし、教育が必要だと思いま
長崎市で2003年7月、中学1年の男子生徒が幼児を商業施設から連れ去って殺害する事件が発生し、04年6月には佐世保市でも、小学6年の女子児童が校内で同級生をカッターナイフで切りつけ、失血死させる事件が起きたためだ。 両事件を受けて、県教委と佐世保市教委は、毎年それぞれ「長崎っ子の心を見つめる教育週間」「いのちを見つめる強調月間」として、命の大切さや規範意識に関する授業を集中的に行う期間を設け、学校ごとに講話や授業参観、地域交流などを実施してきた。 それだけに、同県の教育関係者は大きなショックを受けている。 池松誠二・県教育長は「命を大切にする教育に努めてきたが、このような事件が発生し、痛恨の極み」とコメント。また、佐世保市の女児殺害事件当時、市教育長だった鶴崎耕一・県教育委員(66)も「事件から年月が経過し、『二度と同じ悲劇を起こさせない』との思いが次第に薄れ、子供らに伝わりきれていなかっ
情報を外部に無断送信してしまうソフトが、1000台以上の自治体のパソコンで使われていた。中国検索大手「百度(バイドゥ)」製の日本語入力ソフト「バイドゥIME」。 その多くは、バンドル商法と呼ばれる無料ソフトとの「抱き合わせ」で配布され、職員らは気づかないままインストールしていたという。専門家からは「大切な住民情報を扱う以上、情報漏えいを防ぐ仕組みが必要ではないか」との声が出ている。 ◆バンドル 調査対象の67自治体中、最多の272台からバイドゥIMEが見つかった横浜市。市の全672課のうち167課、市立学校512校のうち48校にのぼる。「職員の誰もが『入れた覚えはない』と言うのだが……」とIT活用推進課の担当者は首をひねる。 ネット上の無料ソフト配布では、最初のダウンロード画面では一つのソフト名しか書かれていないのに、実際には複数のソフトがセットになっていることが多い。このため、「目的とは
香川県立琴平高(琴平町)で17日、今年の全国高校総体で団体と個人を制したなぎなた部(女子)と、同総体に出場した剣道部(男子)による「第6回異種武道大会」が開かれた。 全校生徒や地元の児童、園児ら約700人が見守る中、剣道部が2年ぶり2回目の勝利を果たした。 武道が盛んな同高で約20年前まで毎年行われていた行事で、武道場改修を記念して2008年に復活。体力差を考慮し、なぎなたの「スネ」を採用する一方、剣道の「突き」は禁じ手とする特別ルールで5対5の団体戦を繰り広げた。 なぎなたの長さをいかし、面を狙うと見せてスネを攻めるなどした女子に対し、男子は二刀を構えたりジャンプしたりして対抗した。 剣道部が1勝4引き分けで勝利。前主将の3年、安西凌さん(18)は「現役最後の大会。5人で協力し、勝って終われて良かった」と話した。
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