おっぱいパブはアングラな店ではないので、普通のビルの5階に入ってたりする。 よく行く店が、そのビルの7階にあった。 エレベーターで男性と一緒になる。 「何階ですか?」 と聞く。やや間をおいて 「5階です」 と答える。 (ああ、おっぱいですね。) と心でうなずき5階を押す。 5階というのは、このビルにおいてはおっぱいの隠語である。 5階。5階とはこんなにも遠かったか。 今からおっぱいへ行く人と、おっぱいへ行くことを知っている私。 私におっぱいへ行くことを知られていると知っている人と、 おっぱいへ行くって知ってること知ってるんだろうなーと思ってる私。 ああ5階。5階とは、5階であってときに5階以上である。 7階で乗り込んだエレベーターが5階で止まる。 (おっぱいした人が乗ってくる) としぜん緊張が走る。 おっぱい嬢に見送られ、頬に笑みを残したままエレベーターに乗り込む男性。 閉まるドア。ここは