なぜアフリカは独立後も貧しいか (4)都市住民の政治的発言力既に述べたように、東南アジアを含む東アジア諸国の経済成長は、1970年代以降、段階的に輸出志向の工業化を推し進めたことで実現した。それでは、アフリカではなぜモノカルチュア経済が存続し、輸出志向型工業化の発達が遅れたのか。それは一方で、ロメ協定のようにモノカルチュア経済の存続を促す国際環境があったためだが、他方でアフリカ内部に東アジアと異なる環境があったためでもある。 経済学者のジェフリー・サックスは、東アジアとラテンアメリカの1970年代以降の経済パフォーマンスの違いを、政治構造の違いから説明した。サックスによると、東アジア諸国は1970年代以降、輸出を志向した工業化を推し進めたが、それが可能になった背景には、都市より農村の方が大きな政治的発言力をもっていたことがあったという。 輸出志向型工業化を実現するためには、輸出を促すために