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ブックマーク / www4.plala.or.jp (4)

  • オークのロジスティックス

    「白の手さまはな、おれたちに人間の肉をべさせてくださるのよ」 戦闘部隊ウルク=ハイ部隊長ウグルク、『指輪物語』より オークやゴブリンなど人肉の習性を持つ鬼型生物は、しばしばファンタジー世界の兵士として重要な役割を果たす。知性や体格では人間に劣るが、身体的能力においてはむしろ優れた面を示すオーク類は、兵士として優れた資質を備えている。人間を好んで捕するオークは、人間と物連鎖の頂点を争う対抗種として共存しえない宿命を持つ。人間の宿敵であるオークたちを駆使する指揮官の着眼点は、優れたものと言えるだろう。 しかし生態学的な地位をもって単純な優劣を比較できないことは、他ならぬ人類がそれを示している。人類の優位は高度な知性による社会性と技術の使用にある。つまり単なる狩ではなく、目的に応じて武器を開発し、チームを組織し、戦術を駆使する戦争能力があるのだ。 戦争を遂行する集団という観点から人

    lotus3000
    lotus3000 2013/03/10
    大規模な狩猟としてのオーク族の戦争。
  • 歴史

  • 戦艦大和

    読み返す度に、涙を押さえられない物語がある。 『戦艦大和の最期』は昭和文学史上の傑作の一つである。 『平家物語』と共に我が国の叙事文学として受け継がれるであろう書について、ここで改めて取り上げるには及ばないかもしれない。 しかし書の知名度は若い方々にはさして高くないと推察される。軍事や歴史に興味を持つ人だけでなく、興味を持たない人々にこそ読んで欲しい作品として、書を紹介したい。 太平洋戦争も最終段階に突入した昭和二十年四月。日海軍の建造した世界最大の戦艦『大和』は、沖縄に上陸した米軍撃滅の命令を受けて出撃した。もとより帰還を意図しない「水上特攻」であったが、米軍が制空権を握る状況下、この作戦はほとんど成算の無い自滅行為でしかなかった。 『戦艦大和の最期』はこの、祖国の古名を冠した巨艦に乗り込んだ三千人の男たちが、敗北と知りつつ義務に従い、圧倒的な敵と戦って死んでいった壮烈な記

  • 研究所書庫

    『石光真清の手記』は今から百年前、祖国のために激動の東アジアを流離った日人の手記を、彼の長男が編纂したものである。先年NHK衛星放送が仲村トオルの主演でドラマ化したので、ご存知の方もいるかもしれない。 明治時代の日やアジアに興味を持つ人なら、このは絶対にお勧めである。また「馬賊」とか「大陸」とか「革命」とか言う言葉にロマンを感じる人にもお勧めだ。何よりこのはスパイの回想録であり、冒険物語として面白い。そして非常に考えさせられる記録でもある。 明治元年に熊で生まれた石光真清(いしみつ まきよ)の人生は、まさに「人の運命と国の運命が別ち難く結びついていた」近代日歴史と共にあった。祖国の明日のために栄達を捨て、幾度と無く生死の境を潜り抜けた彼の実体験は、どのような物語にも増して波瀾万丈であった。だが彼の人生は報いられることの余りに少ない、過酷なものだったのである。 『第一巻 城下

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