スカイマークの機長だったオーストラリア人男性が安全上の理由で運航を拒否したところ、違法に解雇されたなどとして、同社側に未払い賃金など計約3000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(白石哲裁判長)は14日、同社側に計約1900万円の賠償を命じる判決を言い渡した。 判決によると、元機長は2010年2月、羽田発福岡行き運航便の離陸前、喉を痛めて声が出ない客室乗務員の交代を同社に求めたが断られたため、「緊急時の安全確保に支障が出る」と運航を拒否。同社は機長を代えて運航した上で、元機長の出向契約を解除し、出向元に元機長を解雇させた。 白石裁判長は「機長の判断は最大限尊重されるべきで、契約解除や解雇に理由はない」と指摘。機長交代の際、同社の西久保慎一社長が元機長に暴行を加えたことも認定し、10万円の慰謝料も命じた。