おそらく政権の座に近づくための戦略から過激な主張を近年は手控えているものの、反欧州連合(EU)の色彩を帯び、財政赤字増大につながる政策を主張している極右「国民連合(RN)」が、国民議会(下院)選挙で勝利して組閣する可能性が意識される状況である。 マクロン仏大統領は6月9日、下院解散を突如表明した。欧州議会選挙におけるRNの勝利に直面した同大統領が、これ以上の極右勢力の躍進を阻止するための賭けに出たとみられており、確たる勝算があるわけではない。英国で2016年にEU離脱に関する国民投票を行って失敗したキャメロン首相(当時)と対比する声も出ている。