世界各国・地域の中央銀行が昨年急速に金利を引き上げたことで世界の住宅市場に波及したショックは、冷たい新たな現実へと姿を変えた。何百万人もに富をもたらした不動産活況は終わった。 世界の市場は、急激に上昇し高止まりの公算が大きい借り入れコストと、価格を高水準にとどめることにつながっている住宅在庫不足とに見舞われている。多くの地域で住宅は一段と購入しにくくなっており、不動産所有者はローンを借り換えれば経済的負担が増す状況に直面している。 30年ローンが主流の米国市場は、低金利ローンを享受している住宅所有者は売却に消極的で、買い手は厳しい状況に追い込まれており、事実上凍結状態にある。ニュージーランド(NZ)やカナダなどの長年ブームが続いた地域では、家探しをする人にとって価値が有意に下がってはおらず、高値でつかんだ人たちは現在ローン返済額の増加に直面している。 それぞれの国・地域でシナリオは異なるだ