現在、福岡で開催されている「ネーションズリーグ」で好調を維持するバレーボール男子日本代表。史上最強との呼び声高いチームは、パリ五輪で52年ぶりのメダル獲得が期待されている。その原動力にもなっているサウスポー西田有志(24歳)の原点を両親に取材した《NumberWebアスリート親子論/全2回の1回目、後編も公開中》 絵に描いたような“わんぱく坊主” 西田有志は、泣き虫だった。 姉は8歳上、兄は6歳上。歳の離れた末っ子を出産したとき、母・美保さんは30歳を過ぎていた。実業団のバスケットボール選手として鍛えた体力もさすがに落ちていたうえに、術後も造血剤を打たなければならないほど出産時は出血した。 「腕っぷしで押さえつけて、厳しく育てた」という上の2人からは「お母さん、有志には甘いんじゃないの」と今でも時折責められるが、あの時は「到底、無理だった」と笑う。