毎話観終わったらじんわり涙してしまうドラマがある。木曜日深夜0時30分から放送中の『お耳に合いましたら。』(テレビ東京系)だ。 本作は、テレビ東京がオーディオストリーミングサービス「Spotify」と共に、Podcast番組と連動させたオリジナルドラマである。映画『サマーフィルムにのって』のヒロイン役も鮮烈だった伊藤万理華が演じる主人公・高村美園が、大好きなチェーン店グルメ・通称「チェン飯」について語るポッドキャストを始め、パーソナリティとして成長していく物語だ。なぜこのドラマは、こんなにも多幸感に満ちているのだろう。その謎を解き明かしてみたい。 本作の面白さの最たるところは、「一人の世界が一人ではなくなっていく」ことを目の当たりにすることだ。「ラジオ/Podcast」と「チェン飯」という美園の「好きなもの」は、本来彼女が一人で向き合っていたものだった。 初回において、彼女は緊張しながら、