となりの家が、劇的ビフォーアフターされるのをテレビで見ながら、なんということでしょう、旦那さんが小さなお子さんを抱いて、脱衣場のない風呂へ、遠い居間から裸で向かう映像が流れたのだ。全国の視聴者にとってはある一人の、困った家に住む若い男性、夫、お父さんに過ぎないとしても、私にとっては他の誰でもない、毎朝挨拶をする隣の旦那さんなのだ。引き締まった体であるのに脇腹の下にかすかな肉の緩みを見てしまったら、もう、明日から、なんということでしょう。 匠が自己満足のために客観視をかなぐり捨てて据え付けた、床の下から現れる木のテーブル。あの妙なギミックを利用して、隣の若夫婦はアクロバティックなセックスを楽しんでいるきっと。8ヶ月の大きな腹をかかえた奥さんを、あのテーブルに乗せて、旦那さんは、あの若々しさの中にかすかな衰えを含んだ肉体を惜し気もなくさらして生殖には供されないただの悦びを楽しんでいるに違いない