[書評] ぼくは科学の力で世界を変えることに決めた (ジャック・アンドレイカ, マシュー・リシアック) 15歳の少年が独自に、初期段階の検査が難しいとされてきた膵臓癌の画期的な検査法を発明したという話題は、ネットで見かけてから気になっていた。ジャック・アンドレイカ君の話である。 まず、本当かなということが関心だった。なので、そのことが書かれいた本書を読んでみた。なんと言っていいのか、奇妙な本だった。「本当かな」という部分については、本当だったという点で、天才少年と天才的な発明の物語のドキュメント性はある。それだけでも面白い。そして当然だが、物語はその成功譚と苦難の物語になるのだが、そこがちょっと思っていたことと違っていた。というかかなり違っていた。 まず、ジャック・アンドレイカ君がどれほどすごいかというのは、TEDにある彼自身の話がわかりやすいかと思う。 天才というのはこういうものだなとい