生物学の萌芽は古代ギリシアに見られる。 一般に、諸研究に先駆しているという意味で、古代ギリシャのアリストテレスをもって生物学史の始めとする[1][2]。「アリストテレスは実証的観察を創始した[3]」「全時代を通じて最も観察力の鋭い博物学者の一人[4]」などとされ、生物の分類法を提示するなどし、後世に至るまで多大なる影響を及ぼしたのである。アリストテレスの動物学上の著作として残っているものとしてはHistoria animalium『動物誌』、De generatione animalium『動物発生論』、De partibus animalium『動物部分論』、De anima『心について』(『霊魂論』とも)がある[5]。『動物誌』では、500を越える種の動物(約120種の魚類や約60種の昆虫を含む)を扱っており、随所で優れた観察眼を発揮している[6]。植物に関する研究も行い著作もあったと