米オープンAI(カリフォルニア州)の人工知能(AI)の基盤モデル「GPT―4」が、米国の統一司法試験の上位10%に相当する成績をたたき出した。米国で大学受験に使われるSAT試験の英語や数学でも同7%、11%に入る好成績をあげた。対話の滑らかさも相まって、チャットGPTは社会を変えると受け止められている。(小寺貴之) 「ユーザーインターフェースだったか。分かりやすいからなあ」。チャットGPTについて、ソニーAI(東京都港区)の北野宏明社長はこうこぼす。北野社長は日本のAI戦略策定に関わってきた。AI戦略では産業競争力を前提とすると、創薬を加速させるたんぱく質の構造予測や機能性材料の探索などの分野が優先される。これらはマネタイズ(収益化)され、ビジネスが回っている。ただ地味だった。 チャットGPTは分かりやすさとオープン戦略が功を奏し、1億人以上が利用した。用途開拓が進み、AIブームが再燃した