日銀が大規模緩和策の一環として買い入れてきた「ETF=上場投資信託」。ことし3月の政策転換で新たな買い入れは行われなくなったが、保有額は時価で74兆円にのぼると推計されている。 世界の中央銀行の中でも異例の政策が残した課題がその出口戦略だ。いまは巨額の“埋蔵金”とも言われるが、ETFの扱いをどうするか、市場だけでなく政界も注目する。 (経済部記者 真方健太朗) なぜETFの買い入れ増えた?時価74兆円 日銀がこれまでに買い入れたETFの総額は、このところの株高もあって大きく膨らんだ。 民間のシンクタンクによると、公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人を超えて、日銀が間接的に日本株の“最大の株主”になっているという。 ことし3月に大規模な金融緩和が転換されて、新たなETFの買い入れは行われなくなった。 市場などからは「株価を下支えした」と政策を評価する声もある一方
歴史的な円安水準が続く中、日銀の植田総裁は8日、都内で行われた講演で、円安の影響などによって物価の見通しが上振れた場合は「金利をより早めに調整していくことが適当だ」と述べました。 この中で、植田総裁は円安が物価に与える影響について「このところ企業の賃金や価格設定の行動が積極化する中で、過去と比べると為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある」と指摘しました。 そのうえで、植田総裁は「経済・物価見通しやそれをめぐるリスクが変化すれば当然、金利を動かす理由となる。仮に、物価見通しが上振れたり上振れリスクが大きくなったりした場合には、金利をより早めに調整していくことが適当になる」と述べ、円安が物価を想定以上に押し上げるなど影響が大きい場合は、金利の調整が必要になるという認識を改めて示しました。
世界最大規模のテクノロジー見本市が、アメリカのラスベガスで始まりました。生成AIの利用が世界で急速に拡大していることで、さまざまなAI関連の技術やサービスの展示が注目されています。 アメリカのラスベガスでは9日、国内外から4000社以上が参加し、世界最大規模のテクノロジー見本市、CESが開幕しました。 生成AIのChatGPTが2022年11月に公開されてからこの1年余りで生成AIの利用は世界で急速に拡大しています。 ことしのCESでは「生成AIの先」がキーワードとなっていて、さまざまなAI関連の展示が注目されています。 このうち、アメリカのスタートアップ企業は主に高齢者向けのロボットを展示しています。 人のことばや微妙な表情を生成AIが認識してロボットが自然に会話したり、ほほえみかけたりします。 また、オランダの企業は、声を出すのに障害がある人の声を生成AIによって復元し、会話できるシス
経済安全保障の観点から半導体の重要性が増す中、政府は、台湾の半導体大手TSMCが、熊本県に検討している第2工場など、国内での生産拠点の整備を支援するため、今年度の補正予算案におよそ1兆9000億円を盛り込む方針を固めました。 今月2日に決定した政府の新たな経済対策では、経済安全保障上、重要な先端・次世代半導体のサプライチェーン=供給網の強じん化などを通じて、国内への投資を促進するとしています。 これを受けて、政府は今年度の補正予算案に、半導体の生産や開発を支援する3つの基金を積み増す費用として、およそ1兆9000億円を盛り込む方針を固めました。 具体的には、台湾の半導体大手のTSMCが熊本県で検討を進めている第2工場への支援を念頭に、先端半導体の量産を支援する基金に7600億円余り、最先端の半導体の国産化を目指すRapidusなどを支援する基金に6400億円余りを充てるとしています。 また
岸田総理大臣とゼレンスキー大統領が電話会談を行い、ウクライナ大統領府は会談で、岸田総理大臣が来年の早い時期に日本でウクライナ復興に関する会議を開催する用意があることを確認したと明らかにしました。 岸田総理大臣とウクライナのゼレンスキー大統領は、9日午後3時すぎから、およそ30分間にわたり電話会談を行いました。 ウクライナ大統領府の発表によりますと、このなかで、ゼレンスキー大統領は、5月に開かれたG7広島サミットについて「ロシアの侵略に対抗するためウクライナへの国際的な支援のさらなる強化に関する重要な決定が採択された」として日本政府に謝意を示しました。 そして、両首脳はウクライナの復興についても話し合ったとし、岸田総理大臣が来年の早い時期に日本で、ウクライナ復興に関する会議を開催する用意があることを確認したと明らかにしました。 また、ゼレンスキー大統領はウクライナ南部ヘルソン州でダムが決壊し
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけは、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行されましたが、医療現場では引き続き、患者の受け入れなど対応が求められています。 こうした中、ことし春の完成を目指して大淀町で建設が進められていた専用の「発熱外来棟」が世界的な半導体不足の影響で工事の計画が遅れています。 五條市と吉野郡の医療を担う「南和広域医療企業団」では、新型コロナの感染拡大期に検査や診療を行う専用の発熱外来棟を、大淀町の医療センターの敷地内に整備する計画を立て、去年11月に着工しました。 施設の整備費は3億円あまりで、ことし春の完成を目指していましたが医療企業団によりますと、世界的な半導体不足の影響で空調設備に使う電気基盤の納入が難しくなったことなどから、工事の計画が遅れ、完成はことしの夏以降になる見通しになったということです。 また、最近の物価の高騰がさまざまな資材の調達に影響を及
行動制限のないことしの大型連休、久しぶりの旅行やレジャーを楽しんだ方も多かったと思います。計画の時点で気になるのが「ことしはどれぐらい混むのか」だったと思いますが、予想と比べて実際はどうでしたか? 今回、携帯電話のビッグデータ解析からは、人出が感染拡大前の水準までほぼ回復した地域と、回復が鈍い地域で差が出ていることが分かりました。 都道府県をまたいだ移動は? NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたデータを使い、大型連休が始まった先月29日からの9日間について都道府県をまたいで移動した人の数を調べました。 ※データ提供:モバイル空間統計(ドコモ・インサイトマーケティング) ※対象:15歳~79歳。訪日外国人旅行者は含まず。 ※期間:各年の大型連休の期間、午後3時台の平均値を比較。
5日は「こどもの日」です。 日本財団が子どもや若者1万人に調査したところ、国に求める取り組みとして、大学までの教育無償化を挙げた回答が4割に上りました。 一方、子どもの意見の尊重などを定める「こども基本法」を「聞いたことがない」という回答は6割に上り、子どもに関わる法律の理念の周知が課題となっています。 日本財団は、こども家庭庁の発足に合わせ、子どもの意見を政策に反映させようと、ことし3月に10歳から18歳までの1万人にインターネットで調査を行いました。 その結果、「国や社会が子どもたちのために優先して取り組むべきこと」を複数回答で尋ねたところ、 ▽「高校・大学までの教育を無償で受けられる」という回答が40%と最も高く、 次いで、 ▽「いじめのない社会を作ること」が37%、 ▽「子どもが犯罪に巻き込まれることなく、安全に過ごせること」や「本当に困っている子どもの声にしっかり耳を傾けること」
日銀の植田総裁は、今月9日に就任してから初めてとなる金融政策決定会合に臨みました。 最初の政策決定は、今の大規模な金融緩和策の「維持」でした。 植田総裁は午後3時半から記者会見を行いました。 記者会見での植田総裁の発言をタイムライン形式で詳しくお伝えします。 16:30すぎ 会見終了 植田総裁は、金融緩和策のレビューは緩和策を縮小する出口戦略と関連があるのかを問われ、「レビュー期間の1年から1年半というのは微妙な長さかと思う。その間に正常化を始める可能性もゼロではない。そういう場合にはこのレビューは、必ずしも時間的に間に合わないということだ。そもそも現時点で、そこを狙って始めるわけではない」と述べました。 その一方で、「正常化を始めるプロセスがどんどん後ろずれしていく可能性もまたゼロではない。2年後、3年後、4年後ということになる可能性も残念だがありえる。そうすると、副作用をどういうふうに
26日未明、日本のベンチャー企業が開発した着陸船が世界初の民間による月面着陸に挑みましたが、着陸予定時刻のあと通信が途絶え、計画していた着陸はできませんでした。 着陸船に何が起きたのか、当時の動きは、時系列でお伝えします。 「ispace」が開発した月着陸船は、26日午前0時40分ごろ、月面に向けて降下を始め、およそ1時間後に着陸する計画でした。 会社の説明によりますと、月面に向けて降下を始めたあともガス噴射で速度を落とす制御を計画どおりに開始し、姿勢を変えながら最終的な降下地点までたどりついたことも確認されたということです。 しかし、着地に備えた状態で降下していた際、着陸の信号をとらえないまま高度の情報が0になり、さらにマイナスの値になったということです。 着陸船はそのまま降下を続け、その後、速度が増加して通信が途絶えたことから、会社では、残りの燃料がなくなり、最終的に月面に落下したと推
EV=電気自動車の普及などに伴って、需要の拡大が見込まれる「パワー半導体」について、東芝は、太子町にある工場に新たな製造棟を建設し、生産能力を2倍以上に増強することになりました。 東芝は、太子町にある子会社「東芝デバイス&ストレージ」の工場で、自動車や家電などに使われ、電力の供給や省エネルギー化に不可欠な「パワー半導体」を生産しています。 需要の高まりを受けて、会社は、この工場の敷地内に数十億円かけて新たな製造棟を建設することになりました。 新たな工場の建設に伴って、会社では、地元を中心に最大200人ほどを雇用する方針です。 今回の投資によって、この工場のパワー半導体の生産能力は、現在の2倍以上に拡大する見通しで、来年6月に着工し、2025年春の稼働開始を予定しています。 パワー半導体をめぐっては、EVのほか、スマートフォンなど身近なデジタル機器に使用され、デジタル社会を支える重要基盤とな
新型コロナの水際対策が緩和されて以降、国内の主要空港で国際線の再開が相次ぐ中、中部空港の国際線では3月の旅客便の便数が新型コロナ前のおよそ18%にとどまり、回復が遅れていることがわかりました。 2022年10月に外国人の個人旅行解禁など水際対策が緩和されて以降、国内の主要空港では国際線の運航再開が相次いでいます。 こうした中、中部空港の国際線の3月の旅客便はソウル、シンガポール、ハノイなど11都市とを結ぶ週87便となる計画であることがわかりました。 これは新型コロナの感染拡大が本格化する前の2020年1月の週486便のおよそ18%にとどまり、回復が遅れている形です。 これについて、中部空港会社では、国際線の半数程度が中国本土とを結ぶ便だったため、往来の制限や水際対策が長期化し、運航再開が遅れていることが要因だとしています。 国内の主要空港では、国際線の便数はすでにコロナ前の4割から7割程度
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