「これも重要な教育なのに」−。行政刷新会議の事業仕分けで文化・芸術に関する予算が軒並み削減、見直しの判定を受ける中、オーケストラなど芸術家が学校現場で鑑賞会を行う事業も「圧倒的な縮減」の対象となり、現場に波紋が広がっている。中には年間公演の2割をこの事業が占めるオーケストラもあり、予算の「縮減」が存続問題にも発展する恐れがでてきた。 (安田奈緒美)●大フィルが来た 大阪フィルハーモニー交響楽団は今週、和歌山県内の小・中学校を回っている。文化庁の「本物の舞台芸術体験事業」の一環だ。 25日は電車を乗り継いでJR加茂郷駅近くの海南市立下津第2中学校に出向いた。全校生徒約250人が集まった体育館で、楽器紹介や生徒が指揮するコーナーを経て、最後はエルガーの「威風堂々」を演奏。最初は煙たがっていた男子生徒も終わりには食い入るように舞台を見ていた。 「汗が出るほど感動した」「オーケストラを呼んでくれ