「超音波を使って、空中に表示した映像に触れると触感を感じる技術を開発しました」。箱型のディスプレイには鍵盤の映像が映し出されている。「ぜひ、私たちのブースに体験しに来て下さい」と2分間のプレゼンテーションを締めくくったーー。 20日までつくば国際会議場(茨城県つくば市)で開催中の、最先端の触覚技術を発表する国際会議「Asia Haptics」。これまでの学会での研究発表を全く覆す新しい発表方法を導入し、研究者の情報共有のあり方や研究プロセスのあり方に一石を投じている。 研究者が集まり最先端の研究成果を共有する学会発表と言えば、登壇者がスライドを使って講義形式で説明するのが一般的だ。ところが、Asia Hapticsでは、スライドも講義形式のプレゼンテーションもない。その代わりに、広い展示会場がある。研究者が研究成果を自分のブースに持ち込み、その場でデモンストレーションをして他の研究者たちに