去年7月の豪雨災害を検証し、これからの防災に活かすため、大学や行政機関、データ会社などから防災やビッグデータに詳しい専門家に集まってもらった。 「土砂災害警戒区域と特別警戒区域の推定人口が時間でどう変化したか?」。情報工学が専門の広島大学・北須賀輝明准教授。この検討会のために、私たちは携帯電話やスマートフォンの「位置情報」を元にした統計データの解析を依頼していた。 位置情報とは、地域の基地局などを通じて携帯電話やスマートフォンを持っている人が「どこにいるのか?」をリアルタイムで記録したもの。これを利用すれば、豪雨災害が起きた日に「土砂災害警戒区域」にいた人の数を推計できる。1時間ごとの変化を見ることで、どのくらいの人が、どのタイミングで「危険なエリア」を離れたのか? 人々の動きを追った。 去年7月6日、断続的に強い雨が降り続いていた広島。北須賀准教授によると、日中、「土砂災害警戒区域」にい