アスリートたちは、どのように身体能力を向上させているのでしょうか。オリンピックや世界選手権で記録が更新される仕組みや、最新の測定技術について、身体の動きや知覚を研究する工藤和俊先生(総合文化研究科)に聞きました。 スポーツ科学は、スポーツを研究対象として生理学、神経科学、心理学、医学、生化学、工学、情報学など、さまざまな領域の知見を総合した応用科学です。パフォーマンス向上と健康増進がスポーツ科学の主な柱となっています。私の研究室では、スポーツ選手、ダンサー、音楽家、俳優などの熟練者がどのように自らの身体を使い、周囲の環境を知覚しているのかについて研究しています。熟練した行為は常に、熟練した知覚と一体になっています。具体的な研究例としては、ダンサーはどのようにして自らの動きを音楽に合わせているのか、レーシングドライバーはどのように周囲の環境を知覚しているのか、陸上競技選手のピッチおよびストラ