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  • nix in desertis:国公立大・世界史の入試問題の論述字数の不安定性について(2)小問編

    昨日の続き。大学入試問題の論述字数を考える際,もう一つ論点になるものがある。1小問の字数である。小問別で考えた場合,大論述問題の有無は影響が大きい。150字程度までの字数で問われる論述問題は,一部の例外を除くと辞書的な説明や,教科書の1ページに収まる範囲の叙述が求められるものが多い。これに対して200字を超える問題は,散らばった複数の時代や地域を叙述させたり,比較させたり,歴史的意義を解答させたりするものが多い。後者を受験業界で一般に大論述と呼ぶ。 大論述と小論述の違いは長距離走と短距離走のようなもので,鍛え方も異なってくる。たとえば,東京大学の世界史の入試問題は,600字程度の大論述1問,60~120字程度の小論述が5・6問,一問一答の語句記述問題が約10問という構成で,総論述字数は1000字前後である。それぞれで大論述では大風呂敷の文章構成力,小論述では端的にまとめる能力,語句記述では

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    machida77 2024/07/20
    世界史の入試問題の論述の配分、バランスについて考えがありそうなところと無さそうなところ。
  • nix in desertis:国公立大・世界史の入試問題の論述字数の不安定性について(1)総字数編

    大学入試問題は,基的に昨年の傾向・形式が維持されると予期される。大学入試は選抜であるともに,その大学の講義についていけるだけの学力があるかどうかを測ることが目的であるから,大学の特色に沿った入試問題が課されるのである。結果として蓄積された過去問は「欲しい学生像」を伝えるメッセージとなっている。 ところが,受験世界史において意外と不安定なものがある。国公立大学の論述字数である。一回の試験で課される論述字数の多寡は,試験の傾向を決める大きな要素である。試験時間あたりの総論述字数が多ければ,制限時間の中で急いで知識を整理して文章をまとめる処理能力を測っているということになる。この場合,問題の要求自体は易しいことが多い。逆に,試験時間あたりの総論述字数が少なければ,比較的ゆとりのある試験時間の中で熟考する能力があるかを測る設定になっている。たとえば,字数が安定している大学を選んで言及すれば,筑波

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    machida77 2024/07/19
    そういえば英語や国語(現代文)では論述の回答字数より長文読解の問題文の文字数のほうが話題になる印象がある。
  • nix in desertis:ガーナ王国はいつ滅亡したか

    受験世界史深掘りシリーズ。ガーナ王国はニジェール川上流域北方に存在した王国である。現在のガーナ共和国とは全く領域が重なっておらず,歴史的なつながりもない。ガーナ王国はサハラ砂漠を縦断する貿易,サハラ砂漠で採掘される岩塩とニジェール川の南側で採掘される黄金を交換する塩金貿易を管理して繁栄した。金は地中海沿岸から来たムスリム商人によって持ち帰られ,イスラーム圏の金貨鋳造に用いられた。このため11世紀半ばのムスリムによる記録では,ガーナ王国の首都クンビ=サレーは二つの居住区域に分かれ,片方にはムスリムが,もう片方には伝統的宗教を維持する住民が居住した。宮廷があったのは伝統的な宗教の住民区の方であり,森の中であったとされるが,現在の発掘調査ではまだムスリム居住区しか見つかっていない。 このガーナ王国に異変が起きたのは1076/77年のことである。マグリブを征服したモロッコのムラービト朝は宗教的情熱

    machida77
    machida77 2024/07/17
    高校世界史の参考書でもこの滅亡時期については発行時期で分かれている印象がある(去年出たマイベスト参考書の世界史探求では13世紀半ば)。まあ、教科書を元にしているから当然か。
  • nix in desertis:登山記録24(天城山,荒島岳,茅ヶ岳)

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    machida77 2024/07/06
    茅ヶ岳は昔は深田久弥終焉の地の木柱だけで寂しいものだったが、後に木柱より小さな石碑が建てられたのは謎だった。
  • nix in desertis:韓国の修能について少し調べたこと

    ・大学入試から「超難問」排除へ 私教育依存、脱却図る―韓国(時事通信) 韓国の入試制度を全然知らなかったのだが,簡単に調べてみると,そもそも日でいう一般入試にあたるものは(実技が求められる大学以外)存在せず,1996年に廃止になっている。そして推薦入試や総合選抜にあたる制度「随時」での入学が約80%,共テ利用にあたる「定時」が約20%で,向こうでいう共テは「大学修学能力試験」通称「修能」と呼ばれる。修能は共テと同じで全問マークシートである。ただし,随時でも修能の受験は必須で一定の基準を超えないと門前払いをらうようなので,結局修能対策は必要になる。ソウル大学校だと上位1%で切られるという情報も見たので,それは死活問題だろう。制度別の入学者割合が意外であったが,日も一般入試が全廃されて推薦入試・総合選抜型・共テ利用の三択になったらこういう割合になりそうではある。共テだけで合否が決まるのは

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    machida77 2024/06/17
    大学修学能力試験についてはおおざっぱに知っていたが問題の具体例は初めて見た。
  • nix in desertis:2024年5-6月に行った美術館・博物館(法然展,利休・織部・遠州展,キリコ展)

    東博の法然展。浄土宗としては全開でご開帳している。秋に京博に巡回予定のようなので,むしろそっちが番か。割と真っ金金な仏像や仏具が多く,金が残りやすい材質ということもあってか,保存状態よくいろいろ残している。この系譜に増上寺の「五百羅漢図」があると思うと納得する。東博での企画展ゆえに「五百羅漢図」も増上寺から借りてきて多数展示されていた。他だと浄土宗というわけではない當麻寺が曼荼羅を多数出展していて謎に気合が入っていた。當麻寺の曼荼羅の流布に浄土宗がかかわっていたとのこと。 仏像以外だと『往生要集』・『日往生極楽記』(と慶滋保胤書状)・『選択願念仏集』・高麗版大蔵経(増上寺所蔵)と,高校日史や倫理の教科書で著者と作品名だけ載っていて機械的に覚える書籍類の実物があり,個人的にはこっちの方が楽しめた。逆に言えば文字だけの史料や墨跡が多いので,有名な絵や仏像をメインで見たい人はやや肩透かし

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    machida77 2024/06/17
    この辺の展覧会ではニアミスしてそうだった。
  • nix in desertis:2024年3-5月に行った美術館・博物館(有楽斎,北欧,吉原)

    サントリー美術館の織田有楽斎展。織田の血筋や波乱の人生のために派手なイメージがあるが,その実,古田織部や小堀遠州と比べるに堅実な茶人だったのだろうと思われた。あまり奇抜な茶器がなく,保守的で王道を行く茶人だったのだろう。その中では数少ない珍しい茶器にあたる狸形壺が目玉展示で,ちょうど狸がネットで話題になる幸運は有楽斎らしいのかもしれない。 そうした茶器の玄人好みを反映してか,茶器の展示はさほど多くなく,書状が主体であった。血筋と茶の湯の腕前のため,外交や人間関係の調整を任されがちで御茶湯御政道の真ん中にいた人という印象が強まる。『へうげもの』ファンなら顔が浮かんでくる面々とのやりとりである。茶器は青磁の銘「鎹」,大ぶりで青みがかった有楽井戸,欠けた茶碗に割れた染付をあてがった呼継茶碗が良かった。狸形壺と呼継茶碗は公式のTwitterアカウントが公開してくれているので以下に貼っておく。 \《

    machida77
    machida77 2024/06/03
    北欧の神秘展の内容を見て2020年に中止になった「ハマスホイとデンマーク絵画」展に行けなかったことを思い出してしまった。あれはデンマークのロマン主義がトピックの一つだった
  • nix in desertis:『絶対に解けない受験世界史4』が出ます

    出版社による告知記事はこちら。 絶対に解けない受験世界史4: 悪問・難問・奇問・出題ミス集稲田義智パブリブ2024-04-12 すでにAmazon,honto等で発売中です。シリーズ存続のためにもご購入いただけると幸いです。 以下は3巻同様に,書の紹介をFAQ形式で。 よくわかる! 『絶対に解けない受験世界史4 悪問・難問・奇問・出題ミス集』FAQ Q.目的や内容は前巻までと同じなの? A.全く同じです。大学入試における悪問や超難問,出題ミスを収録・解説したです。気で難しくて解けない問題から,日語の崩壊した問題,単なる誤植,笑える問題,珍しい問題など,多岐にわたって収録しています。 1.入試問題作成の杜撰さを世の中に訴えること 2.出題ミスの事例を集めて,出題者へ提供すること 3.悪問を笑い飛ばして当時の受験生の無念を供養すること 4.世の中の世界史マニアに難問を提供すること を主

    machida77
    machida77 2024/04/07
    将来、『DG-Law著作集』が出た場合(※絶対そういうタイトルではない) 、多分1巻から8巻くらいまで絶対に解けない受験世界史シリーズになると思うんですよね。その時1が所収される見通しということでどうでしょう。
  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国公立大)

    1.共通テスト 世界史A <種別>難問 <問題>1 問6 文章中の空欄〔 エ 〕の都市の歴史について述べたうとえの正誤の組合せとして正しいものを,後の①〜④のうちから一つ選べ。〔 6 〕 (編註:空欄エは南京を指す。) う 太平天国が都を置いた。 え 李自成によって占領された。 ① う−正  え−正 ② う−正  え−誤 ③ う−誤  え−正 ④ う−誤  え−誤 <解答解説> うは基礎知識で正文と判断できるが,えは順王朝の支配領域なんて世界史Bでも習わないし早慶でも出ない。超難問である。順の最大領域は華北に限られるので,えの文は誤文であり,正解は②となる。作問者はおそらく「北京」と「南京」を入れ替えて誤文という極めて安直な発想で作ったと思われるが,こうした正誤判定の作問では入れ替える前後で比較するだけでなく,入れ替えた後の文単体で判断して妥当かどうかを検討する必要がある。問は検討不十分

    machida77
    machida77 2024/03/17
    1.は李自成が占領したのは北京だと知っていれば南京は間違いだと分かるはずという想定が読み取れてそれはそれでどうなんだという問題。4.は本当に謎だ。番外の九大の予備校の回答例を見ると取捨選択が激しかった。
  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は16問であるが,そのうち2つの学部が10問を占めた(教育と商)。昨年もそうだったが,偏りが激しい。 18.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>2 設問7 下線部Gの事態は(編註:アメリカ大陸にはそれまで存在しなかった感染症が持ち込まれ,ヨーロッパ大陸にはトウモロコシやトマトなどがもたらされた),アメリカ大陸に到達した航海者の名にちなみ,何と呼ばれるか,記述解答用紙の所定欄に記しなさい。 <解答解説> 盲点事項。歴史好きは当たり前に使っている言葉だが,言われてみると高校世界史にはなかった。正解は「コロンブス(の)交換」。なお,新課程の世界史探究の教科書・用語集には記載されるようになった。フライング出題である。 19.早稲田大 文化構想学部(2つめ) <種別>難問 <問題>3 次の史料は,桑原隲蔵『考史遊記』(岩波書

    machida77
    machida77 2024/03/16
    ハミルトンと言えばおなじみ世界史の窓では個別のページまで作られているがその内容でも今回の早稲田の設問には答えらえれない/新靺鞨は実教出版の教科書のコラムにあるという
  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も書き上げることができたので公開する。いきなり告知から入るが,もうすぐ4巻が発売する予定なので,お買い求めいただけると幸いです。4巻の校正作業はほぼ終わっているが,この2024年の記事と作業時期が重なったので,今年は少し大変だった。 【速報】突然ですが『絶対に解けない受験世界史4』を出版します! 著者は稲田義智さん@nix_in_desertis です! https://t.co/orMarDPCeo pic.twitter.com/bMYXPPMiss — パブリブ (@publibjp) March 15, 2024 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せ

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    machida77 2024/03/15
    出題ミスについて訂正が出ないのは本当に勘弁してほしい/《カレーの市民》が山川『新世界史』で使われたのは題材が一応世界史ネタだからかなあ…
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(九州編)

    97.阿蘇山 いつもの歴史・文学語りは頼山陽から。頼山陽は1818年から1年間をかけて九州を周遊していて,阿蘇山も訪れたようだ。私事になるが,この間に長崎に旅行して訪れた料亭花月(当時は遊郭)に頼山陽は三ヶ月ほど滞在していたらしい。九州周遊の約四分の一をかけて滞在していたということになり,やはり長崎は学ぶものも遊ぶものも多かったのだろう。調べてみると大分(当時は豊後)の耶馬溪を命名したのも頼山陽と伝わっているそうで,豊後では広瀬淡窓とも会っており,わずか1年で吸収に残した足跡は多い。閑話休題,その他に『日書紀』に早くも記述があることや,夏目漱石の『二百十日』の舞台であることが語られている。後者は存在自体を知らなかったのだが,夏目漱石は作品に先立って阿蘇山に登っているらしい。作中の人物は登山に失敗しているのだが。 実に深田はいざ阿蘇山に登ろうとしたが,「駅前に騒々しく群がる観光客を見ただ

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    machida77 2023/12/25
    深田久弥の戦中の本『山頂山麓』(青木書店, 昭和17)では天の逆鉾について「この逆鉾の史的価値に就いては昔から様々な議論があるが、こヽには詳述を避ける」と書いていたところが時代の違い。
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(中国・四国編)

    92.大山 伯耆大山。「伝説的に言えば,大山はわが国で最も古い山の一つである」からいつもの歴史語りが始まり,大山寺が僧兵を擁して暴れていたことや,『暗夜行路』の最後の場面であることまできっちり言及している。山容について言及する部分では,「だいたい中国地方には目立った山が少ない。その中でひとり大山が図抜けて高く,秀麗な容を持っている」から始まり,けっこうな紙幅を費やして中国地方から選出した百名山がこの一座しかない理由を説明するかのごとく中国山地をけなしている。もっとも人があとがきで氷ノ山が候補に入っていたことを書いているし,二百名山ではその氷ノ山・蒜山・三瓶山が入っているから,中国山地も惜しいところで一座だけになった。そう考えると,大山のページではちょっと中国山地をけなしすぎている印象である。 大山の山容について言及するなら外せないのが,見る角度によって山容が大きく異なるという点である。深

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    machida77 2023/12/24
    四国剣山のアーク伝説を最初に唱えた高根正教の説はひどいもので、黙示録の「耳ある者は聞くべし」から耳→ear→祖谷のことだとかおかしい主張でいっぱい。
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(北陸・関西編)

    88.荒島岳 深田は石川県大聖寺(現在は加賀市)の出身だが,「母が福井市の出だった関係から,中学(旧制)は隣県の福井中学へ入った」。そのため,荒島岳は深田が中学生の頃から知っていた山だが,実は長らく登っておらず,初めて登ったのは『日百名山』の執筆から数年前とのことであるから1950年代のことだろう。荒島岳は深田が故郷の山だから選出されたのだと言われがちだが,実は大して登っていない山だったりする。とはいえ,実は深田自身が「もし一つの県から一つの代表的な山を選ぶとしたら,という考えが前から私にあった」として,そこから荒島岳と能郷白山で悩み,荒島岳を県代表とした……と全く隠す気が無く書いている。直接明言した文ではないが,福井県から一つも百名山を選出しないわけにはいかなかったと解釈しうる。 ちょっと面白いのは,中学の頃から麓から立派な山容だと眺めていたことが長々と述べられた後,しかしながら「千五

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    machida77 2023/12/21
    伊吹山のヤマトタケルの石像の話https://dl.ndl.go.jp/pid/952904/1/48 設置した御嶽照王教は教派神道の一つです。
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(金峰・瑞牆・木曽駒・北岳)

    68.金峰山 荻生徂徠が金峰山に言及して「最も険しく」「天を刺すもの,金峰山なり」と述べていると引用しつつ,「漢文口調の誇張であって,甲府盆地から仰ぐ金峰山は決して嶮峻といった感じではなく,むしろ柔和で優美である」と評している。これは深田の意見に賛成で,金峰山は2599mの高峰ながら周囲の山も高く(『日百名山』では2595m),山塊の中心にいるどっしりとした山である。荻生徂徠は誇張したというより,何を見てそう述べたのか,そちらの方が気になってしまう。著書の『峡中紀行』は一応甲斐国を巡って書かれたものらしいので,実地に踏み入れているはずである。 荻生徂徠への指摘はまだ続く。彼は金峰山の名前の由来について「頂上はみな黄金の地であって」「登山者は下山に際してワラジを脱いではだしで帰らねばならない」としているそうなのだが,金峰山は大峰山の別称からとられた名前であって蔵王権現信仰に由来するというの

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    machida77 2023/12/21
    富士見平は戦前からあるので日本百名山で書かれていないのは謎です。
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(雲取・大菩薩・富士山・天城)

    66.雲取山 深田久弥は都会の喧騒が嫌いすぎて,「煤煙とコンクリートの壁とネオンサインのみがいたずらにふえて行く東京都に,原生林に覆われた雲取山のあることは誇っていい」とよくわからない褒め方をしている。また「雲取山は東京から一番近く,一番深山らしい気分のある二千米峰だけあって,高尾山や箱根などのハイキング的登山では物足りなくなった一が,次に目ざす恰好な山になっている」とする。これは現代でも変わっていない。かく言う私も初めて山小屋に泊まったのはこの雲取山だった。一方で,「一番やさしい普通のコースは,三峰神社までケーブルカーであがって,それから尾根伝いに,白岩山を経て達するものであろう」としている。現在では鴨沢から登っていくのが一番楽だと思われるので,当時は鴨沢ルートが荒れていたものと思われる。奥多摩を手に入れた東京都が,過保護気味に登山道を整備するとは,深田も予想していなかっただろう。それで

    machida77
    machida77 2023/12/14
    雲取山の富田新道は雲取山荘の管理人で有名だった鎌仙人が切り開いた道で距離は短縮できたが急坂があって一般向きではないと昔から言われていた。
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(長野県編)

    43.浅間山 浅間山が常に煙を吐いていることが強調されているが,現在では言うほど煙を吐いていない。とりわけ私が登った時には全く煙が出ていなかった。もっとも,だから噴火警戒レベルが下がっていて前掛山まで登れたのではあるが,深田が登った当時はどれだけ煙が出ていようがきっちり登頂できたのだろう。おおらかというか人命が軽い。なお,深田が浅間山に登ったのは高校1年生の時だったとのことで,案の定「絶頂の火口壁で噴煙に襲われて逃げまどった」と述懐している。挿絵の登山地図には前掛山の表記が無い。浅間山に直接登れた当時は,前掛山に登る人はいなかったということか。 また当時は峰の茶屋(軽井沢側)から登るのが一般的だったところ,深田は小諸から登ったとのことである。現在では峰の茶屋からの登山道は封鎖されていて,小諸側か嬬恋村からしか登ることができない。私が登ったのも小諸側からであるが,天狗温泉浅間山荘で一泊してか

    machida77
    machida77 2023/12/12
    噴火や信仰との関わりの変化が大きい長野の山々/もともとビジンサマの目撃談は上伊那郡川島村の伝承で、同じものを蓼科山でも見た人がいるという補足があっただけなのになぜか蓼科山のほうが有名になってしまった。
  • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(北関東編)

    30.谷川岳 最初の話題は当然,遭難死者である。『日百名山』が書かれた昭和30年代ではまだ二百数十人だったようだが,2023年現在は800人を優に超えている。調べみると,ちょうど昭和30〜40年代に最も死者が出ており,しかもその多くが一ノ倉沢の登攀と積雪期での凍死である。21世紀に入ってからは危機意識の高まり,装備の改良等により死者が大きく減っている(それでも年に2,3人ずつの死者が出ている)。百名山ブームが死者を増やしたとあっては深田もやりきれない。 深田が紹介していて面白かったのは,山名に関するエピソードである。実は真の谷川岳はトマの耳でもオキの耳でもなく俎粠と呼ばれる山であったが,国土地理院の前身にあたる機関が5万分の1地図を作った際に,それまで谷川富士・薬師岳と呼ばれていた両耳を指して谷川岳と記載し,それが定着してしまったのだという。その俎粠はどこにあるのかとYAMAPの地図で調

    machida77
    machida77 2023/12/12
    北関東の山。谷川岳の歴史や小林秀雄との関係について/七味平は、深田久弥は別の本でもそう書いているので間違って覚えていたかそういう異称があったかではないかと思う
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

    昨日の続き。日は国立大をお届けする。集まったのはいつもの面々であった。一番注目されるべき問題が共通テストの日史Bだったりするのは例年と少し違うところかもしれない。長くなったのでおまけは無し。東京外大は未入手。 1.共通テスト 世界史B <種別>??? <問題>3 C 中国における書籍分類の歴史について,大学生と教授が話をしている。 内 藤:18世紀の中国で編纂された〔 オ 〕の「四」という数字はどういう意味ですか。高校では用語として覚えただけで,深く考えませんでした。(編註:空欄オの正解は『四庫全書』) 教 授:〔 オ 〕に収められた書籍が,四つに分類されているためです。これを四部分類と言い,経部・史部・子部・集部からなります。 内藤:なるほど,例えば儒学の経典なら経部に,歴史書なら史部に分類されているという具合でしょうか。 教授:そのとおりです。史部について少し具体的に見てみましょう

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    machida77 2023/03/19
    共通テストの問題は工夫は伺えるんだけど個別の教科の、センター試験の後継としての問題としてはどうかと思う。
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は14問であるが,そのうち3つの学部が10問を占めた。少し偏っている。 〔番外編〕早稲田大・文化構想学部 <問題>5 設問3 図Bは,フランスの画家ピュヴィ=ド=シャヴァンヌが1871年から1872年にかけて「希望」をテーマに制作した作品の1点である。ここでは,白いドレスを着た女性が平和を意味する小枝を持ち座っているが,その背景には荒涼とした風景が広がり,墓地や十字架が見え戦争の痕跡がうかがえる。この絵の構想の着想源となった,製作時期にもっとも近い年代に行われた戦争は何か。次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア ライプツィヒの戦い     イ アロー戦争 ウ プロイセン=フランス戦争  エ クリミア戦争 設問4 図Bについて適切に説明している文章を,次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙

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    machida77 2023/03/18