今日もエホバの証人が『目ざめよ!』と『ものみの塔』を持ってきた。あの人達、一体何の為にそんな 無意味な事をやってるんだろうか? 本当の事を言えば、俺も中学の頃、聖書研究というものをやらされていた事がある。 近所の人とか親父の知り合いがエホバの証人をやっていたからで、特に何も考えず日々を生きて いた俺は、言われるままに母に連れられ集会などにも顔を出したものだ。 あの頃の事は、今の俺にとってただただ恥ずべき過去である。普段何も考えずに生活をしていたと いうどうしようもない人間が、その意味するところにさえ思いが至らずに漫然と時間を浪費してしまった のだから。 今の俺が持つ反宗教感は、その経験があってのことかもしれない。が、過剰とは思っていない。 ともあれ、幕切れの時の事も、俺はほとんど覚えていない。いい加減面倒になってきた両親が、どう にか言い訳を取り繕って訪問をやめてもらったというような記憶が