いま、小売業界で戦略上、最重要視されているホットワードといえば「惣菜」である。 それは平仮名で書く「おそうざい」ではない。昨年、NHKの朝の連続ドラマになった雑誌『暮らしの手帖』にロングラン連載された小島信平氏の『おそうざい十二ヵ月』(単行本は1969年初版)の影響なのか、「おそうざい」には魚を焼いたり野菜を煮たりしてつくる和食の一品料理というニュアンスがある。 しかし小売業界で言うところの「惣菜」は、もっと幅広いカテゴリーを含んでいる。 一般社団法人日本惣菜協会の「惣菜の定義」によると、市販の弁当や惣菜など、家庭外で調理・加工された食品を、家庭や職場、学校、屋外などに持ち帰ってすぐに(調理加熱することなく)食べられ、日持ちがしない調理済食品をひっくるめて「惣菜」としている。レトルト食品や冷凍食品は含まれない。 協会では惣菜の例として、おにぎり、寿司、弁当などの「米飯類」、調理済みのうどん
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