大村市日泊町の社会福祉法人三浦保育園の前理事長が、今年3月までの約1年半の間、運営費の一部を着服し私的流用していたことが分かった。県の調べでは、着服額は2000万円超とみられる。運営費は全額公金のため県が特別監査を実施し、園に対し経営改善命令などの処分を検討している。 運営する三浦保育園は74年4月、県から認可を受けた。今月1日現在の園児は68人。運営費は国と県、市が全額負担しており、09年度は月約520万~640万円(計約7200万円)だった。 3月下旬、市民から「保育園の運営状況が悪化している。理事長が金を使い込んでいる」との情報が市に寄せられ、問題が発覚。県が調査を始めると、前理事長は運営費の目的外使用を認め、7月に引責辞任したという。 保育園は現在、別の社会福祉法人理事長が引き継ぎ、運営している。新理事長側は「刑事告訴など法的措置を検討している」としている。【阿部義正】 〔長崎版〕