「哲学」と聞くとどういうイメージを読者はおもちだろうか。著名なイラストサイトで「哲学」と検索すると、ソクラテスやキルケゴールのような哲学者の似顔絵がたくさん出てきた。 これは哲学のイメージの一端を表している。つまり哲学とは、いにしえの偉大な哲学者の著作を読み、その叡智を用いて深遠な問いを考える学問である。こうした知的営みに価値があることは疑いない。 だがこうした営みだけが哲学だと考えるのは間違いだ。というのは、新しいタイプの哲学がここ数十年の間に興隆したからである。これは「自然主義」と呼ばれる。じつはわたしもその流れに乗るべく、新刊『種を語ること、定義すること』(勁草書房)を出版したのである。 「自然主義」の哲学 では自然主義とは何か。この立場のスローガンの一つは「哲学と科学は方法論的に地続きだ」というものだ。哲学と科学の間の距離は一般に思うよりもずっと近いので、哲学と科学は相互に影響を与
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