3.米の生産調整(減反)廃止による明るい農村建設 多面的機能や食料安全保障に反する農政 農政は、現基本法が規定している“食料の合理的な価格による安定供給”(食料安全保障)や“農業の多面的機能の発揮”を損なってきた。 水田を水田として利用するからこそ、水資源の涵養や洪水防止などの多面的機能を発揮し、水田を維持して食料安全保障を確保できる。にもかかわらず、水田を水田として利用しないことに補助金を与える米の生産調整(減反)政策は、水資源の涵養や洪水防止という多面的機能を損ない、水田をかい廃(転用や耕作放棄などで、農地を農業の用に供しなくすることを言う)して食料安全保障を害してきた。半世紀以上も、農政自体が基本法に掲げた目的を損なっている。 農業界は、(高い米価が)米生産を維持するために必要だとして米生産を減少させている。言っていることは支離滅裂だ。世界の米生産国は生産を増加させているのに、補助金
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