新聞の夕刊が次々と姿を消している。全国紙の部数は右肩下がりだ。ノンフィクションライターの石戸諭さんは「全国紙はこの20年で発行部数はほぼ半減し、業績が回復する兆しも見えない。新聞記者がネットに影響され、事実よりも“刺激の強い言葉”を優先するようになりつつあることが衰退の一因ではないか。事実確認の規律を守り、ジャーナリズムの基本に基づいた『強い』記事を出し続けてほしい」という――。 「全国紙」のビジネスモデルは終わりが近い 「新聞は商品なり」 私がかつて所属した毎日新聞を大きく発展させた戦前の名経営者、本山彦一の言葉だ。新聞はいよいよ危うい。日本新聞協会によれば、1世帯あたり部数はついに0.49部にまで下がり、毎日新聞は富山での配送休止を、日本経済新聞の一部九州エリアの夕刊休止という発表も続いた。 全国紙の発行部数は悲惨な状況にある。文化通信が報じた日本ABC協会の新聞発行社レポート(202