ユーロ圏3位の経済大国イタリアで3月4日、総選挙が行われる。支持率ではポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」が一貫して首位に立つ。同党の首相候補、ルイジ・ディマイオ氏(31)は元フリーター。若さと新鮮さが売りで公約は一貫性を欠くが、既成政治に飽いた有権者の心をつかんでいる。 演説は漫談風 ディマイオ氏の選挙演説は、まるで政治漫談だ。 「見てください。ベルルスコーニ元首相(81)の公約は10年前と同じ。変わったのは後退した頭髪だけ」 スクリーンに元首相の昔の写真が映り、会場がどっと沸いた。月曜日の夜の選挙集会は、ウェブサイトで告知しただけ。それでも1500人の会場は立ち見でいっぱいだ。 元首相の支持者だったというアントニ・メジーナさん(65)に「五つ星公約の何を支持するか」と聞くと、「これから読むよ」という返事。公約はどうでもいいらしい。政治不信が高まる中、五つ星の「素人っぽさ」は逆