金星を回る軌道への投入に失敗した探査機「あかつき」のエンジンが、トラブル後も正常時の6割程度の推力を保っていたことが、宇宙航空研究開発機構の調査で分かった。エンジンが破損していても限定的と見られる。エンジンのテスト噴射や地上での同型エンジンの試験で、故障の詳細を分析する。宇宙機構は、再接近する6年後の軌道投入も「あきらめていない」としている。 宇宙機構によると、あかつきは軌道投入のための噴射開始から152秒後に強い衝撃を受け、機体が傾き始め、エンジンの推力も落ちた。しかし、その後の推力は徐々に回復。最終的に6割ほどで安定したことが、機体の動きの詳しいデータから分かった。これだけの推力が保たれていたことで、噴射口は壊れているとしても、半分以上は残っていると見られるという。 あかつきの噴射口は世界初のセラミック製。耐熱温度は合金製より高い1500度だが、燃焼時は2千度にもなるため、燃料の混