富士通は福島県会津若松市内の工場のクリーンルームで栽培したレタスの出荷を7日から本格的に始める。半導体減産による余剰施設を「植物工場」として再利用し、昨年秋から試験的に栽培を始めた。主力のICT(情報通信技術)事業に農業を融合させるノウハウ蓄積の場にする狙いも持つ。 ■一部停止した工場施設を転用 JR会津若松駅にほど近い工業団地内にある富士通セミコンダクターの会津若松工場。栽培にあたる富士通ホーム&オフィスサービスの宮部治泰生産部部長は「室温は約22度で毎日約12時間光をあてる。普通のレタスより少し早い45日程度で出荷できる」と話す。 同工場は1967年に開設し半導体の主力工場として操業してきたが、海外勢に押されて事業は縮小。2008年のリーマン・ショックも重なり、10年春に3つの生産棟のうち1つが操業を停止した。 ■付加価値のあるレタスで勝負 約8000平方メートルのクリーンルームの再利