消費税はどのように使われるのだろうという素朴な疑問を誰でも持つのではないだろうか。消費税増税について、政府は増大する社会保障費用に充てると主張している。増税したお金は本当に社会保障に回るのだろうか。極端にいえば、カネに色はついていないので、なんとでも説明できる話だ。 政府が「社会保障に回る」という場合、消費税を社会保障目的税化し、会計を区分経理することによって消費税収入に対応する支出先を社会保障分野にするという意味だ。これは本来色のついていないカネを会計上、色付けするという作業になる。 ただし、このような形で目的税化した場合、弊害も出てくる。その典型例は、道路特定財源だった。ガソリン税などを道路支出に充てるという制度であったが、ガソリン税がある限り、道路を作り続けるという無駄が生じてしまった。また、本来の道路建設とは無縁な事業にもガソリン税が使われてしまった。 消費税の社会保障目的税