SNS上のがん情報を、医師がファクトチェックしたら――。名古屋市立大学病院の乳腺外科医、呉山菜梨さん(31)は、2023年にそんな論文を発表しました。不確かな情報もあるネット空間で、患者はどうすれば良いのでしょうか。 【写真】「ママは治らない」絵本で伝えたお別れ がんの妻は娘たちを信じた ◇ 診療現場で、患者さんからSNSで入手された情報について尋ねられることがあります。正しいものもある一方で誤ったものもあり、治療に不安を抱かれています。 研究では、旧ツイッター(現X)に22年8~9月に投稿された、がんにまつわる日本語の投稿を抽出しました。「いいね」の多い100の投稿を選び、がんを専門とする4人の医師がレビュアーとなって検証しました。すると、44%が誤り、31%には有害な情報が含まれていました。 例えば「日本人は欧米で売れずに余った抗がん剤を使っている」といった趣旨のものがありました。厚生
