(c)A-1 Pictures/閃光のナイトレイド製作委員会 当然だが、アニメを観て「感動したい」とファンは思っている。 これまで、感動する作品には「強いセリフ」が欠かせなかった。だが、その感動とは一体何なのだろう。キャラクターが「好きだ」と叫ぶシーンだけで、本当にその愛は「伝わる」のだろうか? 今回は、アニメ「閃光のナイトレイド」が持つシナリオの強さに焦点を当てたい。メインライターの大西信介氏は、1978年に日本映画の助監督として業界に入ったものの、映画の道はあきらめたという。その後、彼は40歳で脚本家デビューを果たし、アニメの世界に入ってきた。アニメを変えた脚本の「異色さ」とは、いったいどこにあるのだろうか? 1931年、魔都「上海」。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦を経て、中国大陸へと進出した日本陸軍。その中に歴史上葬られた特殊スパイ組織「桜井機関」が存在した。桜井機関のメンバーは