意外なことだが、アメリカのラボでは、アメリカ人は少なく、外国人が多い。 私は、アメリカのラボに来たのだから、当然、アメリカ人の研究者が多いのだろうと思っていたが、周囲のラボのメンバーを見渡すと、中国人が半分、残りの半分をロシア人とインド人、中国以外のアジア人で三等分したような人口構成である。アメリカで生まれ育って、アメリカの大学を出たという研究者は滅多にお目にかかれない。 何人かの他のアメリカの大学に留学している友人に聞いたところ、この現象は、ハーバードだけでなく、アメリカでは一般的なことらしい。 そして、それはバイオに限らず、情報系、機械系でも同様だと言う。 聞くところによると、アメリカのアカデミックにおける理系研究者の90%がアメリカ人でない外国人であるそうだ。 これはいったいどうしたことか? アメリカの産業を支えている理系の研究。 その根底である大学研究機関がアメリカ人以外の外国人に