『仁義なきキリスト教史』架神恭介 『仁義なきキリスト教史』架神恭介 を読む。 多分、こんな本は日本だから出せるんだろう。キリスト教原理主義者やイスラム教原理主義者が強い国では、両者から「ふざけるな」のお叱りが来るであろう。これは小説なのである。キリスト教の歴史をヤクザに置き換えたらどんなふうになるかという超真面目な、ふざけた本なのである。キリストが救世主となる過程からして、ヤハウェを大親分として、その脅威に苦しんでいる民衆にヤハウェへのとりなしを保証することで、医療行為を行ない奇蹟を起こすものとしてのキリストが生まれるのであるが、そのキリストが刑死せざるを得ない過程は結構細かく書かれていて参考になる。たんなるユダのタレコミによるローマの政治的なもの以上にヤハウェ大親分の取り合いでもある。死んだキリストはこれがまた大親分になり、連綿とああでもない、こおでもないというキリスト教の歴史は続くので