Webの検索エンジンと将棋の思考エンジンは似たような経緯で発展してきている。みんながどうやって場合分けを多くするか考えていた時に、逆の方向、つまり場合分けを少なくする方法で、大きなブレイクスルーが成し遂げられた。 Web上には、ニュース、マニュアル、企業の広告やPR、個人の日記など多種多様な文書があって、それぞれ作られ方も違うし、読む人が重視する特質も違う。だから、分類や検索をするのに、ジャンルごとに違う処理が必要だと思われていた。分野を限定すれば、ある程度機械的な処理が可能かもしれないが、当面それも無理なので、手作業で良質サイトのディレクトリが作られていた。 それに対し、グーグルのページランクは、全てのWeb文書を内容の区別なしにリンクのみで処理することで、機械的検索を実用化した。ここで重要なことは、文書の種類も区別しないし、文書間のリンクも、リンクする意図を一切考慮することなく全部一律