■野良男と賢し女 野良男(のらお)と賢し女(さかしめ)構造というのがある。 古来、物語のスタイルで、「因習にとらわれて進退の極まった共同体を、遠方から現れたバイオレーター(違反者)が新奇なテクニックを駆使して救う」という筋立てのものをいう。因習に囚われた古い共同体を賢し女、遠方から現れたバイオレーター(違反者)を野良男という。 因習では正しいことをするものの意味で「賢しい」といい、どこの馬の骨とも分からないから「野良」というのだろう。 この構造は神話の代から世界中にあり、日本の神話では、須佐之男と櫛名田姫の物語がそれにあたる。闘将ダイモスの「一也とエリカ」も当然その末裔だろう。スヌーピーの「マーシーとペパーミントパティ」、セーラームーンの「亜美とまこと」、まり見ての「翔子と裕美」など、定番のユリカップルや、初期富野作品の「アムロとララァ」「コスモとキッチン」「カミーユとフォオ」も男女が逆で