生け花を習う女学生たち。花嫁修業の重要な一つと考えられていた。(KIYOSHI SAKAMOTO/National Geographic 1933年3月号「長い歴史をもつ若い国」より) たとえば戦前、1933年3月号に掲載された特集「長い歴史をもつ若い国(Japan, Child of the World’s Old Age)」はこんな具合だ。 「日本人女性の和服には自然の趣が感じられる。乙女が美しい着物や髪飾りで着飾った姿には、感嘆の声を上げずにはいられない。しかし、詩人たちは女性を称賛する以上に、美しい景色や自然の造形美を詩に詠んできた。雲や霞、曙や夕暮れの輝きが生き生きと詠われる。西洋とは異なり、日本の文学、美術、言語に、自然を擬人化した表現はめったに見られない。それでも、日本人はあらゆる自然に何者かが宿って、美しい山々には神々がすむと考える」 ところが太平洋戦争が始まると、その内容