それはそれは昔の話、iPhone一辺倒だったスマートフォン市場にAndroid機が挑戦を始めた頃の話。携帯とPCの垣根が揺らぎだし、PCのうち「消費者」的な機能が携帯へと輸入され始めていた。その流れを受けて某社ではAndroidでも、もちろんiOSでもない新たな勢力を打ち上げようと、あるプロジェクトが動いていた。 携帯にPC的な機能を付与するのではなく、PCを携帯的な使い勝手にすれば…。 その製品思想を元に、PCのCPUを保有しWindowsとSymbian(いわゆるガラケーのOS)の両方のOSが動く、デュアルOS携帯電話の開発が始まった。PCの開発部隊に所属していた若き日の僕は、唐突にこのプロジェクトにアサインされた。 迷走する試作機 致命的な問題 超法規的処置 壮絶な人体実験 再起不能(リタイア) 夢の終わり 迷走する試作機 言うまでもなくチャレンジングで無茶な製品企画だった。ソフト・