具体的には水素と二酸化炭素(CO2)を合成して造る液体燃料「e-fuel(イーフューエル)」の開発や普及を支援する。「人工的な原油」とも呼ばれ、ガソリンのようにエンジンで利用することが期待されている。これまではガソリンの燃焼でCO2を排出してきたが、CO2をリサイクルしたこの燃料を使えば、車のガス排出は新たなものというより「循環」に留められるとの理由だ。このほか、水素をそのまま使う水素エンジン車もあり、こちらはほぼCO2を排出しない。例えばトヨタ自動車は5月、静岡県で開催されたレースで水素エンジン車を世界で初めて参戦させた。 当初案から急きょ変更 11月中旬まで、経済対策の原案ではEVへの普及支援が目立っていた。「これだと100万人規模が関わるエンジン産業に対し、示しがつかない」と経済界に近い議員らが慌てた。内々に産業界の意向を探ると、裾野の広い部品メーカーへの配慮が必要という。政府はEV