各界で活躍する方々に、それぞれのテーマに沿って紹介していただく特別な本。新しい本、古い本、日本の本、外国の本、小説も絵本も専門書もあります。書店とも図書館とも違う、魅力的な書棚に触れてください。 文学史的には、近い作風の野間宏や埴谷雄高とともに「第一次戦後派」と呼ばれる。ちなみに遅れて続いた「第二次」が、安部公房や三島由紀夫で、こちらはいまも広く読まれる作家が多い。 それで、次の本で椎名について書いていたら、まさにいま大切な文章を見つけたので、シェアしておきたい。「ニヒルの克服」という題名で、1948年10月29日の『東京民報』に載ったとある。 復員して来た青年たちの一部にファシズムへの傾向の濃くなって来ているのを、最近強く感じる。勿論彼等は、自分たちの直面しているこの現実が、何等かの意味で許せないのであるが、そのために戦争をあこがれ軍国主義を、それの追憶に於て希望するのであるが、その心の