ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/glenn (10)

  • バイデンとトランプの大きな違い──「機密文書問題」を読み解く

    バイデンが自発的に適切な報告を行ったのに対し、トランプは文書の持ち出しについてごまかし、嘘をつき、法律をないがしろにした> 国家安全保障に関わる組織では、機密文書の扱い方が厳格に定められている。プロの情報機関職員が機密文書の取り扱いを誤れば、キャリアの終わりを覚悟しなくてはならない。私も昔、書類カバンを一瞬なくし、血の気が引いたことがある。 しかし、今回バイデン大統領に持ち上がった機密文書問題──副大統領時代の機密文書を個人事務所や私邸に持ち出していたことが明らかになった──は、アメリカの国家安全保障への影響以上に大きな政治的波紋を既に生み出している。バイデン支持者の間でも、2024年大統領選への再選出馬を目指す上で大きな打撃になったという見方がある。 ガーランド司法長官は、この問題を捜査するための特別検察官を任命した。これは、トランプ前大統領が私邸に機密文書を持ち出していた問題に関して

    バイデンとトランプの大きな違い──「機密文書問題」を読み解く
    maniwani
    maniwani 2023/01/24
  • ニッポンを再び「大国」にした、安倍元首相の功罪とは?

    安倍はアメリカやその他のインド太平洋諸国と連携して地域覇権を狙う中国に対抗した KEVIN LAMARQUEーREUTERS <自分が屈辱的に見えることを犠牲にしてもトランプとうまく付き合い、クアッドやアベノミクスなど功績がある一方で、「ナショナリズムの歴史」とは一線を画すことができなかった。元首相が歴史に残したことは何か?> 安倍晋三元首相は、第2次大戦後の日で最も重要な政治指導者として名を残すはずだ。安倍は他国との連携強化を推進したナショナリストであり、日経済の最も深刻な構造的問題に大胆に切り込んだ。 1960年代初め以降、経済大国だが政治的には弱腰だった日を再び世界的な外交・軍事・経済大国に押し上げたのも安倍の功績だ。「ジャパン・イズ・バック(日が帰ってきた)!」と、安倍は何度も繰り返した。ほとんどの面で安倍が正しかったことは、反対派も認めざるを得ないだろう。 安倍は「保守」

    ニッポンを再び「大国」にした、安倍元首相の功罪とは?
    maniwani
    maniwani 2022/08/09
    “中国が台頭するなか、日本は戦略的同盟国として韓国を必要としているからだ。 しかし、業績全体を見れば、こうしたことは比較的小さな問題にすぎない。”
  • 対日関係を改善したい文在寅、歩み寄る理由がない菅義偉

    G7サミットの記念撮影に臨んだ菅(2列目左端)と文(前列右端、6月12日) YONHAP NEWS/AFLO <日側からすれば、韓国政府が慰安婦問題と元徴用工問題を解決する行動を取らない限り、日韓関係の進展はあり得ない。それに、そもそも日韓では戦略上の優先事項が異なる> 先日イギリスで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で日の菅義偉首相と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の首脳会談が見送られた背景には、最近再び日韓両国間で挑発と対立が続いていたという事情があった。 G7サミット前に、韓国側は日を刺激するような行動を少なくとも2つ取った。 1つは、東京五輪聖火リレーの地図に、韓国が領有権を主張する竹島(韓国名「独島」)が日領として描かれていることに抗議したこと。もう1つは、その竹島の周辺で定例の軍事訓練を計画したことだ(その後、実際に訓練を実施)。 韓国政府が慰安婦問題と元徴

    対日関係を改善したい文在寅、歩み寄る理由がない菅義偉
    maniwani
    maniwani 2021/06/23
  • アメリカ外交 ライバル国に甘い「戦略的忍耐」に大転換が、必然の選択だった理由

    北朝鮮やイランとの対決色を薄めたバイデンだが、中国の圧力でそうせざるを得なかった側面もある> バイデン米大統領は就任後100日間で外交政策の路線転換に着手した。イランに対しては、核兵器開発に歯止めをかける核合意の復活を期して交渉再開を模索している。「朝鮮半島の非核化」問題では、トランプ前政権の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」要求に比べ、より対決色の薄い段階的な対北朝鮮政策を採用した。 バイデン中国の急激な台頭に合わせて米外交の軌道修正を図っている。イランと北朝鮮へのアプローチは一部で「戦略的忍耐」とも評される新外交ドクトリンの典型だ。 バイデンはこれまで、2つの世界秩序の下で人生を送ってきた。まず、1945~89年の冷戦時代。アメリカはソ連に対する「封じ込め」政策を採用し、民主主義と自由市場経済の価値を訴えて世界の覇権をソ連と争った。この戦略は89年のベルリンの壁崩壊とその後のソ

    アメリカ外交 ライバル国に甘い「戦略的忍耐」に大転換が、必然の選択だった理由
    maniwani
    maniwani 2021/05/11
    “他の国々に対し、アメリカと同じように多くの経済的利点を提供している。しかも拡張主義的な領土と主権に関係する特定の問題を除き、アメリカのようにルールや規範を押し付けようとはしない。”
  • 中国への融和路線を捨てたバイデン、これからは日本が頼りに

    バイデントランプ流と決別し、同盟国と協調して中国に対峙する> マサチューセッツ州の私が住む地域でも、新型コロナウイルス・ワクチンの予防接種が始まった。それが東アジア情勢と何の関係があるのかと思うかもしれない。しかし、コロナ危機に対するバイデン政権の大規模で一貫した対応は、今後4年間に米政府がどのような政治を行うかを明確に映し出している。 バイデン政権は、一時的な衝動やかたくななイデオロギーではなく、専門家の助言と事実に基づいた実務的な政治を行うことが予想できる。状況の変化や新しい課題にもしっかり向き合おうとするだろう。その点については、私たち家族を含めワクチン接種を受けた米国民と同じように、アジアの国々も安心していい。 ジョー・バイデン大統領に対して最もよく聞かれる批判は、長い政治キャリアを通して中国への融和路線を推進してきたというものだろう。民主主義とルールに基づく国際秩序を受け入れ

    中国への融和路線を捨てたバイデン、これからは日本が頼りに
    maniwani
    maniwani 2021/04/01
  • 米最強のロビー団体、全米ライフル協会が存続の危機に陥った理由

    <増え続ける非白人を脅威に思う地方の貧しい白人層に働き掛け、共和党の政治家には多額の献金──アメリカ政治に絶大な影響を及ぼしてきたNRAが窮地に追い込まれている> 全米ライフル協会(NRA)は過去40年間、アメリカ政治と共和党に最も大きな影響を与えてきたロビー団体と言えるかもしれない。毎年約4万人が銃で命を落としているにもかかわらず、多くのアメリカ人が銃を「自由」の象徴と見なしているのは、NRAの力によるところが大きい。 だが今、NRAは最大の試練に直面している。1月15日、NRAはニューヨーク州司法長官が起こした訴訟から逃れるため連邦破産法11条を申請し、登記先をニューヨークからテキサス州に移転すると発表した。 合衆国憲法が保障する個人の「武器を保有する権利」を声高に主張する強硬派がNRAの主導権を握ったのは1977年。彼らはそれ以来、銃規制は「全ての個人の自由」を奪う行為だと主張してき

    米最強のロビー団体、全米ライフル協会が存続の危機に陥った理由
    maniwani
    maniwani 2021/01/30
  • 近未来予測:もしもアメリカが鎖国したら...世界に起こること

    MASTER1305/ISTOCK (DOOR), FEIFEI CUI-PAOLUZZO-MOMENT/GETTY IMAGES (BACKGROUND) <20XX年、新型コロナ禍と南シナ海戦争を経て、アメリカが完全に国境を閉ざした――。人と物の往来が止まり、世界では今「脱グローバル化」が議論されている。その極端な「影響」をフィクションのかたちで描き出す。誌「コロナと脱グローバル化 11の予測」より> (※この記事はフィクションです) 車のラジオからホワイトハウスが打ち出した最新の宣伝文句が聞こえてくる。「アメリカだけがあなたの安全と幸福を守る」 皮肉は意図していないときに一番効く――スーパーマーケットへと車を走らせながら、ドリスは思った。今ではこの文句はある意味当たっている。大統領が宣言した「オンリー・アメリカアメリカだけ)」政策の下、外国製品の輸入は禁止され、アメリカはあらゆる

    近未来予測:もしもアメリカが鎖国したら...世界に起こること
    maniwani
    maniwani 2020/09/09
  • 五輪に迫る危機:情報機関、安倍首相それぞれの役割

    もし来夏に五輪が開催されれば、情報機関は大きな役割を担うことになる ILLUSTRATION BY MUSTAFAHACALAKI/ISTOCK <情報機関は抜かりなく仕事をするが、重要な決断を最終的に下すのは政治リーダーの役割。その役割を安倍は果たせるか。誌「ポストコロナを生き抜く 日への提言」特集より> 事実上、ほかに選択肢はなかった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相は東京五輪の開催を延期することにした。 日政府はこれまでの五輪準備の過程で感染症のパンデミック(世界的な大流行)のリスクも考慮に入れていたはずだと、私は断言できる。もし来夏に五輪が行われれば、そのときは、円滑で安全な大会のために、情報機関と安全保障機関、公衆衛生機関が(しばしば国民の目に見えないところで)大きな役割を担うことになるだろう。 情報機関は一般に、五輪を成功させようとする場合、3つの主要な問

    五輪に迫る危機:情報機関、安倍首相それぞれの役割
    maniwani
    maniwani 2020/05/11
  • ポストコロナにやって来る中国覇権の時代

    中国共産党はプロパガンダが大得意 FINE ART IMAGES-HERITAGE IMAGES/GETTY IMAGES <第2次大戦以降、長年アメリカが果たしてきた世界のリーダーの役割──トランプ米政権がコロナ感染に無策でいる間、中国は手厚い支援で世界にアピールし、戦略的にその座を狙っている> リーダーは「決して危機を無駄にしてはならない」と述べたのは、オバマ前米大統領の下で首席補佐官を務めたラーム・エマニュエルだ。いま、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席と彼の全体主義体制がこの精神を実践して、世界の勢力図を塗り替えようとしている。 中国政府は、強硬な措置により新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑え込む一方(それに成功しつつあるらしい)、世界のリーダーの座をアメリカから奪うために手を打っている。それをよそにトランプ米政権は、200万人を超すアメリカ人の命を奪う

    ポストコロナにやって来る中国覇権の時代
    maniwani
    maniwani 2020/04/02
  • 安倍首相はイラン訪問で日本の国益と国際社会の安定のために勇気を示した

    イランの最高指導者ハメネイ師(右)、ロウハニ大統領と会談する安倍 OFFICIAL KHAMENEI WEBSITE-REUTERS <単なる「子供の使い」ではない。米・イラン間の緊張緩和は実現できなかったが、日米関係強化と日の影響力拡大という成果はあった> アメリカとイランとの緊張緩和を目指し、6月12~14日にイランを訪問した安倍晋三首相をどう評価すべきなのか。無駄足に終わった「子供の使い」か、世界の安定のためにあえてリスクを取った一流の政治家か。 私見では、安倍は日の国益と国際社会の安定のために、侮られたり笑いものになることを恐れない勇気を示した。 最高指導者ハメネイ師とイラン政府の考えはともかく、少なくともイランの一部勢力は安倍の訪問に合わせてペルシャ湾で2隻のタンカーを攻撃した。ただし、そこに込められたメッセージは、安倍ではなくトランプ米大統領に向けられたものだ。 イランは中

    安倍首相はイラン訪問で日本の国益と国際社会の安定のために勇気を示した
    maniwani
    maniwani 2019/06/18
    “この政策は長期的に見て、日本と国際秩序の利益になる。一部の評論家による酷評は、その代償だ。”
  • 1