日本唯一の国立歴史博物館である千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館(歴博)。同館で先史時代および古代を扱う常設の第1展示室が、昭和58年の開館以来、初めてリニューアルされた。同室の対象時代は、日本列島に現生人類が出現した3万7000年前から、日本を国号とする古代国家が成立した7~8世紀までの約3万6000年間に及ぶ。弥生時代の開始年代が約500年さかのぼるなど、先史時代を中心に開館以降の36年間で大きく進歩した歴史研究の成果を反映させた、大規模かつ意欲的な展示刷新だ。 (文化部 磨井慎吾) 大幅に変化「この30数年間、歴博は放射性炭素(C14)年代測定法などで多くの成果を生み出してきた。(展示は)われわれが学んだ40~50年前の教科書で描かれた歴史像から、大きく変わった」 今回の全面リニューアルの背景について、歴博の久留島浩(くるしま・ひろし)館長はそう語る。 考古学分野での自然科学的年代測定