ビジネスのデジタル化の進展で、ある産業が木っ端微塵に破壊される。これを米国では「ディスラプション」あるいは「デジタル・ディスラプション」と呼ぶ。ディスラプション(Disruption)とは、文字通り「破壊」という意味だ。で、どれだけ木っ端微塵になるかと言うと、場合によっては一つの産業が吹き飛ぶ。最近、日本企業を襲った惨劇は、その格好の先行事例だ。 ディスラプションが話題になる際、必ず登場するのが、自家用車を使った配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズだ。1台のタクシーも保有しないのに、あっという間に“世界最大のタクシー会社”になったと喧伝される。確かに米国だけでなく中国などで成功し、世界中でタクシー業界や規制当局と激しい摩擦を引き起こしながら、世界のタクシー市場を破壊し続けている。まさに「破壊者(ディスラプター)」である。 こうしたウーバーのようなITベンチャーの蠢動を目の当たりにして、