2006年8月22日 田中 宇 記事の無料メール配信 8月14日、イスラエルとヒズボラが国連の停戦案に同意し、レバノン南部で停戦が始まった。それから3日後の8月17日、停戦案に盛り込まれた行動の一つである、レバノン南部へのレバノン軍の駐留が開始された。 レバノン軍はレバノンの政府軍ではあるものの、兵力が約6万人で、中東諸国の兵力の水準としてはかなり小さい。昨年まで約30年間レバノンを軍事的に傘下に入れていたシリアが、レバノン軍の拡大を歓迎せず、小さな規模にとどめられていた。 従来、レバノン軍とヒズボラとの関係は、敵とも味方ともいえない微妙なものだった。2000年にイスラエル軍がレバノン南部から撤退した後、レバノン軍は南部に進駐してヒズボラの武装解除を手がけるはずだった。だが、90年代以降、ヒズボラは軍事(ゲリラ)勢力としてだけでなく、政治勢力としての力を拡大しており、ヒズボラ側は政治力を