次の日、 コバの体はすっかり冷たく硬くなっていました。 開いたままの大きな瞳は、 鮮度の落ちたイクラみたいに瑞々しさを失っていました。 猫の目はビー玉なんかじゃなかった。 生きていないと全然美しくないんだ、と思いました。 午前中にペットの葬儀屋さんをよんで、 コバを見送りました。 嫌なことがあって凹んだときや落ち込んだとき、 丸くなったコバの体にパフっと顔をうずめると まるで嫌なものを吸いとってくれるように気持ちが落ち着いたものでしたが、 この悲しい気持ちをやさしく吸いとってくれるやさしい存在がもういません。 家に帰るといつも、 真先に猫を探して触るのが習慣になっていたため、 しばらくはもう居ないコバの名前を思わず呼んでしまうことが何度もありました。 私はコバが生きてる間、あまり猫について調べたりしたことがありませんでした。 彼女の死後、 彼女の行動やしぐさの意味を知りました。 そっけない
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