お風呂の中でブログのネタを考えていた。 考えるにはもう少し温まらないといけない、と思い、「追い焚き」ボタンをタッチした。 すると、モーター音のようなものが聞こえて、噴き出し口から暖かいお湯が流れ出てきた。 便利なものだ。 と思った瞬間、そう思った自分を見るもう一人の自分を感じた。 もう一人の自分が見た自分は、ずいぶんくたびれた老人のようだった。 子供の頃住んでいた家のお風呂は薪で焚いた。 薪は近くの製材所からもらってきた。 製材所の一画に置いてある、いや、あれは捨ててあったのかもしれない。製材するときに出た木の端っこだ。 その木の切れ端をリヤカーいっぱいに積んで、母と私と弟とで運んだ。 家の裏の倉庫が薪の置き場になっていて、そこに全てもらってきたのを運び入れた。 薪運びが終わった頃には母も私も弟もみんな木屑まみれになっていた。 その薪をくべてお風呂を焚いたのだ。 焚口の底に新聞紙を敷いて、