久しぶりに黒くて大きくて重いカメラを首からぶら下げて出掛けた。しばしば「そういうカメラは重すぎるので旅行に向かない」という意見を聞く。それは多分他の荷物が多すぎるか、体力が無いか、写真を撮ることに対する情熱がないか、そのいずれかか、またはその全てかであるからだと思う。僕は写真を撮ることがライフワークのひとつなので、それに対してとやかく言われる筋合いはない。「旅行の本質を見失っている」という人もいるかもしれないが、何を正義とするかは人それぞれである。旅を通じて人との出会いを楽しむ人もいれば、現地の暮らしを楽しむ人も居る。食事や買い物を楽しんだって一向にかまわないだろう。美しいと思った被写体をより美しく印画紙の上に残したいという欲求があってもまったく罪ではないとは思わないだろうか。人からとやかく言われるのを気にしなければ良い?そんな馬鹿な、僕は人のことが好きだから写真を撮る。相手が自分のことを